[開発者向け]Claude Codeの「検証ループ」をスキル化する——手作業のチェックをAIに任せる方法

目次

はじめに

 Anthropicは2026年7月22日、Claude Codeにおける「検証ループ(verification loop)」の設計方法を解説する記事を公開しました。本稿では、AIエージェントが自身の作業を確認・修正する仕組みと、それをスキルとして再利用可能にする手順について紹介します。

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要点

  • 検証ループとは、AIエージェントがテスト・リンター・独自チェックによって自身の作業を確認し、失敗があれば修正してから次に進む反復的な仕組みである
  • Claude Codeには「/verify」スキル、ツールチェーンの監視、Code Review、GitHub Actions、仕様検証、Rubricsといった複数の組み込み検証機構が用意されている
  • 手作業で繰り返しているチェックを平文で書き出し、SKILL.mdとしてまとめることで独自の検証ループを作成できる
  • 検証ループの起動方法は「スタンドアロン」「埋め込み」「連鎖」「PR単位」の4パターンに分類され、用途に応じて使い分けることが推奨されている
  • Anthropicの Claude Codeチームでは、/code-review→/simplify→/verify→/designという連鎖型のフローが日常的に使われている

詳細解説

検証ループとは何か

 エージェント型のコーディング作業は、変更を依頼し、Claude Codeが文脈を収集し、行動を起こし、結果を検証し、必要であれば文脈収集に戻るというループで進みます。検証は、Claudeが応答する前に自らの作業を確認する工程であり、型チェッカーやリンター、テスト、実行時エラーといった決定的なシグナルから多くを読み取れます。一方、Claudeが推測できない部分は、人間が手作業で行う確認手順として残ります。

 このような手作業の確認手順を仕組み化したものが検証ループです。エージェントが自身の作業を確認し修正を試みるという反復プロセスを指し、いわば「レビュー担当者を内製化する」発想に近いと考えられます。同様の思想はテスト駆動開発やCI/CDパイプラインにも見られ、目新しい概念ではありませんが、それをエージェントの標準動作に組み込める点が特徴だと言えます。

組み込みの検証機構

 Claude Codeには、独自の検証ループを設計する前に理解しておくとよい組み込み機能がいくつか用意されています。「/verify」スキルはアプリケーションをビルド・実行し、変化を観察する機能です。ツールチェーンについては、リンターなどが返すエラーコードや警告をClaudeが捉えて対応する仕組みがあり、正確なビルド・テストコマンドをCLAUDE.mdに明記しておくことが推奨されています。

 このほか、有効化したリポジトリのPRに自動でレビューを走らせる「Code Review」(リサーチプレビュー)、プッシュやPRのたびに同じチェックを走らせる「GitHub Actions」、リポジトリ内のMarkdown仕様と照らし合わせて違反を修正する仕様検証スキル、そして別のグレーダーエージェントがルーブリックに沿って成果を検証する「Rubrics in Claude Managed Agents」(ベータ版)が挙げられています。これらは汎用的な検証手段であり、まずは既存の仕組みで足りるかを確認したうえで、独自の検証ループが必要かを判断するとよいと思います。

独自の検証ループをスキルとして書く

 既存プロジェクトで同じ修正を繰り返している場合や、新規プロジェクトの振る舞いを定義したい場合には、手作業のチェック内容を平文で書き出すことが第一歩になります。新しいチームメンバーに手順を説明するつもりで、ベストプラクティスを言語化する形が推奨されています。

 この手順をスキルとして最も手早く形にする方法は、skill-creatorプラグインを使ってClaudeに聞き取りをしてもらうやり方です。あるいは、.claude/skills/配下にMarkdownファイルを直接作成することもできます。以下は、エラーログの衛生状態を検証する最小限のスキル例です。

# .claude/skills/verify-log-hygiene/SKILL.md

---

name: verify-log-hygiene

description: Check that error logs include the request ID and never

 include the request body. Use when the diff touches error handling

 or logging.

allowed-tools: [Read, Edit, Grep]

---

Read the error-handling paths in the current diff.

For each log call on an error path, confirm it includes the request ID

and does not pass the request body, headers, or any user-supplied payload.

Report each violation with file:line, then fix it: add the request ID

where it's missing and strip the payload from the log call.

 このスキルは、フロントマター(スキル名・説明・使用条件・許可ツール)と、実際の確認手順を記した本文だけで構成されています。定性的な基準であっても、「バックフィル手順のない列削除マイグレーションは却下する」のように具体的なルールとして書き下せば、汎用リンターでは検出できないプロジェクト固有のチェックとして機能すると考えられます。

起動パターン: スタンドアロン・埋め込み・連鎖・PR単位

 検証ループの起動方法として、4つのパターンが紹介されています。「スタンドアロン」は、成果物ができた後に任意で呼び出す形で、セキュリティスキャンやアクセシビリティ監査など、毎回は発動させたくない横断的なチェックに向いています。ただし毎回手動で呼び出す必要があるため、常用するようになったタイミングが次の段階へ移る合図だとされています。

 「埋め込み」は、生成側のスキル本文に一行チェックを追記する形で、その後は依頼せずとも自動的に検証が走るようになります。ただし、この方法は自分で編集できるスキル(自作のものやプロジェクトレベルで管理しているもの)にのみ有効で、アップデートで上書きされる組み込みスキルやプラグイン管理のスキルには使えないという制約があります。

 「連鎖」は、あるスキルが終了時に別のスキルを呼び出す形で、複数の検証済みの受け渡しを一気通貫で走らせます。Anthropicの Claude Codeチームでは、バグを探す「/code-review」、差分を整理する「/simplify」、挙動を確認する「/verify」、UIに関わる変更であればDESIGN.mdと照合する独自の「/design」スキルという連鎖が日常的に使われているとのことです。編集できないスキルに検証を追加したい場合も、元のスキルと検証スキルを順に呼び出すラッパースキルを作ることで連鎖のパターンが応用できます。

 さらに一歩進めると、チームの全員が同じチェックを通過する「PR単位」の運用に発展します。これにより、検証は個人の作業手順ではなく、著者の几帳面さに依存しないチームのインフラとして機能するようになると考えられます。

まとめ

 検証ループは、AIエージェントが自身の作業を確認・修正する反復的な仕組みであり、スキルとして書き出すことで再利用可能な資産になります。スタンドアロン・埋め込み・連鎖・PR単位と段階を踏んで運用を広げる発想は、開発チームの生産性向上にもつながりそうです。Claude Codeの開発秘話もあわせてご覧ください。

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