はじめに
xAIは2026年7月23日、コーディングエージェント「Grok Build」に「ワークフロー」機能を追加したと発表しました。大規模なタスクを自然言語で指示するだけで、多数のエージェントを並列に動かして処理する仕組みです。本稿ではこの新機能と、あわせて発表された「Grok 4.5」の展開について解説します。
参考記事
- タイトル: Workflows in Grok Build
- 著者: 記載なし
- 発行元: x.ai
- 発行日: 2026年7月23日
- URL: https://x.ai/news/workflows
- タイトル: Bringing Grok 4.5 to iOS, Android, Web, and X
- 発行元: x.ai
- 発行日: 2026年7月22日
- URL: https://x.ai/news/grok-4-5-everywhere
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要点
- xAIのターミナル向けコーディングエージェント「Grok Build」に、大規模タスクを並列処理する「ワークフロー」機能が追加された
- ワークフローは自然言語の指示をフェーズ・エージェント単位の実行計画に自動展開し、1回の実行につき最大128エージェント、大規模なジョブでは最大1,024エージェントまで利用できる
- 実行状況は/workflowsコマンドでフェーズごとにリアルタイム確認でき、一時停止・再開しても完了済みの作業はやり直されない
- 作成したワークフローは.grok/workflows/(チーム共有)や~/.grok/workflows/(個人用)に保存され、引数を取るスラッシュコマンドとして再利用できる
- 同時期に、xAIの最新モデル「Grok 4.5」がgrok.com・X・iOS/Androidアプリへの展開を完了したことも発表された
詳細解説
Grok Buildとワークフローの仕組み
「Grok Build」は、xAIが提供するターミナル向けのコーディングエージェントです。2026年5月にベータ公開されて以降、コードの読解や修正をエージェントが担うツールとして機能してきましたが、今回追加された「ワークフロー」は、その延長線上でより大規模な作業を扱うための仕組みです。プルリクエストのレビューやIssueのトリアージのように、多数の独立した作業に分割できるタスクを渡すと、Grokがフェーズ構成・各フェーズのエージェント数・結果の集約方法を小さなスクリプトとして自ら計画します。
ワークフローという概念自体は、複数の処理単位を順序立てて実行する仕組みを指す一般的な用語ですが、ここでは「計画から実行まで一貫してAIが担う」という点が特徴だと考えられます。ユーザー側でスクリプトを書く必要がない設計は、コーディング経験の浅い利用者にとっても扱いやすい設計と言えます。
並列実行のエージェント予算と進捗管理
1回の実行には128エージェントの予算が割り当てられ、大規模なジョブでは最大1,024エージェントまで拡張されるとのことです。各エージェントはクリーンで焦点を絞ったコンテキストから作業を始め、単一のパスでは組み込みにくい検証構造(たとえば、独立した「懐疑役」エージェントが最終レポートに載る前にそれぞれの所見を検証する、といった仕組み)も計画に組み込めるようになっています。
進捗はセッション中に随時保存されるため、一時停止・再開をしても完了済みの作業がやり直されることはありません。/workflowsコマンドを実行すると、フェーズ・エージェントごとのトークン消費量を含めて実行の様子をリアルタイムに確認できます。大量のタスクを扱う際、途中経過を把握しながら制御できる点は、実務での使い勝手を左右する要素の一つだと思います。
保存と再利用によるチーム連携
一度作成したワークフローは使い捨てではなく、資産として蓄積できる設計になっています。Grok自身がリクエストからワークフローを作成し、実行前に簡易チェックを行い、実行を重ねるごとに改善していくため、ユーザーがスクリプトを直接書く場面は基本的にありません。うまく機能したワークフローは.grok/workflows/に置けばチームで共有でき、~/.grok/workflows/に置けば個人の環境をまたいで持ち運べます。保存したワークフローはそれぞれ引数付きのスラッシュコマンドになるため、たとえばPRレビューのワークフローを保存しておけば、次回以降は/pr-review 5137のように呼び出すだけで再実行できます。
なお、リサーチに特化した/deep-researchというワークフローが標準で組み込まれており、調査項目を複数の調査担当エージェントに分配し、各所見を出典と突き合わせて検証したうえで、出典付きのレポートとして返す仕組みになっているとのことです。あらかじめ用意されたテンプレートとして、日常的な調査業務にも応用しやすいと考えられます。
Grok 4.5の全プラットフォーム展開
同じ週に、xAIは主力モデル「Grok 4.5」がgrok.com・X・iOS/Androidアプリの全チャネルで利用可能になったことも発表しました。文書からの要点抽出や、表計算・スライド作成の下書きといった作業をこなせる点が紹介されており、Word・Excel・PowerPoint・Outlook向けのアドインからも同モデルを呼び出せるとのことです。今回のワークフロー機能とあわせて見ると、xAIが単発の応答だけでなく、まとまった作業を任せられる方向にプロダクト全体を広げていることが伝わってきます。
まとめ
xAIは「Grok Build」に、自然言語の指示から並列ワークフローを自動生成・実行する機能を追加しました。最大1,024エージェントでの大規模タスク処理や、保存・再利用によるチーム運用が可能になった点が特徴です。過去のベータ公開の記事からの進化を感じます。
