はじめに
Google Labsが2026年2月25日、クリエイティブ制作ツール「Flow」の大幅なインターフェースリニューアルを発表しました。本稿では、この発表内容をもとに、画像・動画生成の統合ワークスペース化、新しいアセット管理機能、直感的な編集ツールの3点を中心に解説します。
参考記事
- タイトル: New ways to create and refine content in Flow
- 著者: Anika Ahluwalia(Product Manager, Google Labs)
- 発行元: Google Blog
- 発行日: 2026年2月25日
- URL: https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/google-labs/flow-updates-february-2026/
〇Google Flow:https://labs.google/fx/tools/flow
要点
- Google Flowは昨年のローンチ以来、累計15億点以上の画像・動画が制作されており、今回のアップデートで画像生成機能が前面に強化された
- 画像生成ツール「Whisk」および「ImageFX」の機能がFlowに統合され、画像・動画の生成・編集・アニメーション化をひとつのワークスペースで行えるようになった
- 新しいラッソツールにより、画像の特定エリアを選択して自然言語で編集指示を出すことが可能になった
- 3月からWhiskおよびImageFXの既存プロジェクトとアセットをFlowに移行できるオプトイン機能が提供される予定である
詳細解説
画像・動画生成の統合ワークスペース化
Googleによれば、今回のアップデートの中心は、これまで別々のツールとして提供されていた画像生成の実験的サービス「Whisk」と「ImageFX」の機能をFlowへ直接統合したことです。これにより、ユーザーは画像の生成から動画へのアニメーション化まで、ひとつのワークスペース内で完結できるようになりました。
また、Googleの画像生成モデル「Nano Banana」がFlowのコア機能として組み込まれ、高品質な画像を生成したうえで、そのまま動画生成モデル「Veo」用のフレームや素材として活用できます。さらに、Flowでの画像生成は無料で利用可能とのことです。
従来、AIによる画像・動画制作では複数のツールを使い分ける必要があり、ファイルの書き出しや再インポートといった手間が生じやすいという課題がありました。ひとつのプラットフォームへの統合は、制作フローの効率化という点で実用的な変化と言えます。


既存ユーザーへの移行サポート
WhiskやImageFXをこれまで利用してきたユーザーへの配慮として、3月以降、これらのサービスで作成したプロジェクトとアセットをFlowのライブラリへ一括移行できるオプトイン機能が提供される予定です。この移行はユーザーの任意選択となっており、既存の制作物を引き継ぎながらFlowへの移行が可能になっています。
なお、Googleの発表では累計15億点以上の画像・動画がFlowで制作されたと明記されており、短期間でのユーザー基盤の広がりがうかがえます。
柔軟なアセット管理機能
クリエイティブな制作プロセスは必ずしも直線的ではなく、試行錯誤や修正を繰り返す性質があります。こうした実態に対応するため、新しい「アセットグリッド」機能が追加されました。生成した画像や動画を横断的に検索・フィルタリング・並べ替えでき、関連するアセットを「コレクション」としてグループ化して整理できます。
大量のビジュアル素材を扱うプロジェクト——例えばブランドキャンペーンや映像制作——では、素材の管理・検索が作業効率を左右する要素の一つと考えられます。このアセット管理機能の追加は、そうした用途でのFlowの活用可能性を広げるものと思います。
自然言語と手描きによる精密編集
今回のアップデートで特に注目されるのが、編集精度の向上です。新たに追加されたラッソツールを使うと、画像の任意のエリアをなぞって選択し、「男性を削除して」「水の中に錦鯉を追加して」といった自然言語の指示で部分的な編集を実行できます。また、画像に直接描き込む形で変更箇所を指示する機能も利用可能になりました。
動画編集においても、クリップの長さをシームレスに延長したり、動画内のオブジェクトを追加・削除したり、カメラの動きを制御したりといった操作が可能になっています。自然言語で編集指示を出せるインターフェースは、専門的な動画編集ソフトの操作に慣れていないユーザーにとっても使いやすい設計と言えます。
まとめ
Google Labsは2026年2月25日、FlowにWhisk・ImageFXの機能を統合し、画像生成から動画制作まで一貫して行える環境を整えました。アセット管理の強化や自然言語での精密編集といった機能追加により、ひとりのクリエイターが幅広い制作作業を担いやすくなっています。今後のモデルアップデートや他サービスとの連携の動向にも注目したいところです。
