[開発者向け]GitHub Copilot コーディングエージェントに5つの新機能——モデル選択からCLI連携まで何が変わったか

目次

はじめに

 GitHubが2026年2月26日、GitHub Copilotのコーディングエージェント機能に複数のアップデートを発表しました。本稿では、GitHubブログに掲載された公式記事をもとに、モデル選択やセルフレビュー、セキュリティスキャンなど、今回追加・改善された5つの機能とその使い方を解説します。

参考記事

要点

  • GitHub Copilotのコーディングエージェントは、イシュー(課題)を割り当てるとバックグラウンドで作業し、完了後にプルリクエストを自動生成する機能である
  • Agentsパネルにモデル選択機能が追加され、タスクの難易度に応じて使用モデルを切り替えられるようになった(現在はCopilot ProおよびPro+ユーザー向け)
  • エージェントがプルリクエストを開く前に、Copilotコードレビューを使ってコード品質を自己チェックし、改善するセルフレビュー機能が実装された
  • コードスキャン、シークレットスキャン、依存関係の脆弱性チェックがエージェントのワークフロー内で自動実行されるようになった
  • .github/agents/配下にファイルを作成することで、チームのプロセスに合わせたカスタムエージェントを定義・共有できる
  • クラウドとローカル(CLI)の間でセッションを引き継ぐCLIハンドオフ機能が追加された

詳細解説

コーディングエージェントの概要と背景

 GitHub Copilotのコーディングエージェントは、開発者がイシューを割り当てるとバックグラウンドでバグ修正・テスト追加・コードの整理などを行い、作業完了後にプルリクエストを作成する機能です。エディタ上でリアルタイムに補完を行う通常のCopilotとは異なり、委託した作業を非同期で処理する点が特徴と言えます。

 近年、AIを活用したコーディング支援ツールは、単なる補完から「エージェント型」の自律実行へと進化する傾向があります。その流れの中で、今回のアップデートはエージェントの実用性をさらに高める方向性として位置づけられると考えられます。

モデル選択機能の追加

 今回のアップデートで、Agentsパネルにモデル選択機能(モデルピッカー)が追加されました。これまでは、バックグラウンドタスクは単一のデフォルトモデルで処理されており、タスクの複雑さに関わらずモデルを変えることができませんでした。

 新しいモデルピッカーでは、ユニットテストの追加のような定型的な作業には高速なモデルを、複雑なリファクタリングや統合テストには性能重視のモデルを選ぶといった使い分けが可能になりました。どのモデルを選ぶか迷う場合は「オート」設定のままにすることもできます。利用にあたっては、GitHubのAgentsパネルを開き、リポジトリを選択してからモデルを指定し、プロンプトを入力してタスクを開始する流れです。現時点ではCopilot ProおよびPro+ユーザー向けに提供されており、BusinessおよびEnterpriseへの対応は今後予定されています。

セルフレビューによるプルリクエスト品質の向上

 AIが生成したコードをレビューする際の課題として、技術的には動作するものの、読みにくかったり非効率な実装が含まれていたりするケースがありました。今回の更新で、コーディングエージェントはプルリクエストを開く前に、Copilotコードレビュー機能を使って自身のコードを確認し、フィードバックをもとに修正を加えるようになりました。

 GitHubが公開しているデモでは、エージェントが自身の実装した文字列結合処理を「過度に複雑」と判断し、プルリクエスト作成前に改善した事例が紹介されています。開発者はタスクのログを確認することで、エージェントがどの時点でセルフレビューを実施したかを追うことができます。セルフレビューを経た後、エージェントから開発者にレビュー依頼が届く仕組みです。

セキュリティスキャンの自動統合

 GitHubによれば、AIが生成したコードにも、人間が書いたコードと同様にセキュリティ上のリスクが含まれる可能性があります。脆弱なコードパターン、誤ってコミットされたAPIキーなどのシークレット、既知の脆弱性を持つ依存関係などがその例として挙げられます。

 今回のアップデートでは、コードスキャン・シークレットスキャン・依存関係の脆弱性チェックがコーディングエージェントのワークフロー内に直接組み込まれました。問題が検出された場合は、プルリクエストが開かれる前にフラグが立てられます。なお、コードスキャンは通常GitHub Advanced Securityの有料機能ですが、コーディングエージェント利用時は追加費用なしで利用できるとされています。セッションのログ欄でスキャンの実施タイミングを確認することが可能です。

カスタムエージェントによるチームプロセスの標準化

 短いプロンプトだけでは、チームの作業慣行や品質基準をエージェントに伝えきれない場面があります。カスタムエージェント機能は、この課題に対応するものです。リポジトリの.github/agents/ディレクトリ配下にファイルを作成することで、特定の作業手順を定義したエージェントを構築できます。

 GitHubの公式デモでは、パフォーマンス最適化専用のカスタムエージェントがベンチマーク計測→修正→再計測という手順を踏み、対象関数の処理速度が99%改善した事例が紹介されています。カスタムエージェントはOrganizationやEnterpriseレベルで共有できるため、複数のチームが同じプロセスで作業を標準化するうえで役立つと考えられます。導入時は、Agentsパネルから新しいタスクを開始し、カスタムエージェントを選択してプロンプトを入力する流れです。

CLIハンドオフ:クラウドとローカルの往来

 クラウドで開始した作業をローカル環境で続けたい場合、あるいはターミナルで作業中にエージェントに一部を任せたい場合に対応する機能が追加されました。従来は環境を切り替えるとコンテキスト(文脈)が失われ、作業を最初からやり直す必要がありましたが、今回のCLIハンドオフ機能ではセッションの引き継ぎが可能になりました。

 具体的には、クラウドセッションから「Continue in Copilot CLI」のコマンドをコピーしてターミナルに貼り付けると、ブランチ・ログ・コンテキストをすべて引き継いだ状態でローカル作業を継続できます。逆に、CLIから&(アンパサンド)キーを押すことで、作業をクラウドに戻して委託することも可能です。クラウドとローカルの行き来が多い開発スタイルでは、作業の切れ目が生じにくくなると思います。

今後の開発予定

 GitHubによれば、現在チームはプライベートモード、コーディング前の計画立案フェーズ、プルリクエストを必要としない作業(イシューの要約やレポート生成など)への対応を開発中とのことです。コーディングエージェントの活用範囲がさらに広がると考えられます。

まとめ

 今回のGitHub Copilotコーディングエージェントのアップデートでは、モデル選択・セルフレビュー・セキュリティスキャン・カスタムエージェント・CLIハンドオフという5つの機能が加わりました。個々の機能がエージェントの実用性を補い合う構成になっており、実際の開発フローへの統合がしやすくなっていると思います。今後の機能拡張にも注目したいところです。

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