はじめに
Google DeepMindが2026年2月26日、新しい画像生成・編集モデル「Nano Banana 2」(正式名称:Gemini 3.1 Flash Image)を発表しました。本稿では、開発者向け記事とユーザー向け記事の2本の発表内容をもとに、このモデルの特徴と利用方法について解説します。
参考記事
- タイトル: Build with Nano Banana 2, our best image generation and editing model
- 著者: Alisa Fortin、Bea Alessio
- 発行元: Google DeepMind Blog
- 発行日: 2026年2月26日
- URL: https://blog.google/innovation-and-ai/technology/developers-tools/build-with-nano-banana-2/
- タイトル: Nano Banana 2: Combining Pro capabilities with lightning-fast speed
- 著者: Naina Raisinghani
- 発行元: Google DeepMind Blog
- 発行日: 2026年2月26日
- URL: https://blog.google/innovation-and-ai/technology/ai/nano-banana-2/
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要点
- Nano Banana 2(Gemini 3.1 Flash Image)は、前世代のNano Banana ProのProレベル機能をFlashの高速・低コストで利用できる画像生成・編集モデルである
- Geminiのリアルタイム情報とウェブ画像検索を活用した高度な世界知識により、実在の場所や物体を正確に描写できる
- 1ワークフロー内で最大5キャラクター・14オブジェクトの外観を一貫して維持する「被写体一貫性」機能を搭載している
- テキストレンダリング精度が向上し、画像内でのテキスト翻訳・多言語ローカライズが可能になった
- Gemini API・Google AI Studio・Vertex AI・Google Ads・Flow・Gemini appなど複数のプラットフォームで本日より利用できる
詳細解説
Nano Banana 2とは——前モデルとの位置づけ
Googleは2025年8月に初代「Nano Banana」を公開し、同年11月には高品質特化型の「Nano Banana Pro」を投入しました。今回登場したNano Banana 2は、Proの高度な機能をFlashモデルのスピードとコスト効率に組み合わせたモデルという位置づけです。
技術的な正式名称は「Gemini 3.1 Flash Image」であり、Geminiの大規模言語モデルを基盤とした画像生成・編集専用モデルです。Flashシリーズは一般にProと比べて応答が速く、APIコストが低い点が特徴とされており、大量の画像を処理する本番環境での利用に適していると考えられます。
強化された世界知識とリアルタイム情報の活用
Nano Banana 2は、GeminiモデルのリアルタイムWeb検索と画像検索を組み合わせることで、特定の実在する場所・建物・物体をより正確に描写できるようになりました。従来の画像生成モデルが学習データの範囲内でしか表現できなかったのに対し、最新の視覚情報を参照して生成する点が異なります。
この機能を示すデモアプリ「Window Seat」では、世界各地の名所とリアルタイムの気象データをもとに、フォトリアルな「窓からの景色」を生成する様子が公開されました。インフォグラフィック作成やノートを図解化するデータビジュアライゼーション生成にも活用できるとされています。
テキストレンダリングと多言語ローカライズ
画像生成における文字の品質は、従来のFlashモデルでの課題の一つでした。Nano Banana 2では、テキストレンダリングの精度が大幅に向上し、マーケティング素材やグリーティングカードなど、文字の正確さが求められる用途でも実用できるレベルになったとされています。

さらに、画像内のテキストを多言語に翻訳・ローカライズする機能も備わりました。Googleが公開したデモアプリ「Global Ad Localizer」では、広告画像を複数言語に変換する際、テキストだけでなくビジュアル全体を各国の文脈に合わせて調整する様子が確認できます。国際展開を考えるプロダクト開発において、活用の幅が広がると思います。
被写体一貫性とクリエイティブコントロール
ビジュアルストーリーテリングや複数シーンにわたるコンテンツ制作で特に注目されるのが「被写体一貫性(Subject Consistency)」機能です。1つのワークフロー内で最大5キャラクター・14オブジェクトの外観・特徴を維持したまま、異なるシーンを生成できます。絵コンテ制作やキャラクターを使ったナラティブコンテンツの量産において有用と考えられます。
その他のクリエイティブコントロール機能としては以下が挙げられます。
- ネイティブアスペクト比の拡張: 従来対応していた比率に加え、4:1・1:4・8:1・1:8が新たに追加され、縦長・横長の多様なフォーマットに対応
- 512px解像度の追加: 既存の1K・2K・4Kに加え、低レイテンシを優先する高速イテレーションや大量処理向けのオプション
- 精密な指示追従: 複雑な複数条件を含むプロンプトへの対応精度が向上
- 思考レベルの設定: 「最小(デフォルト)」と「高/ダイナミック」を切り替えることで、複雑なプロンプトに対してモデルが推論を経てから生成するかどうかを制御でき、出力品質の調整が可能
本番環境での活用と開発者の声
すでに複数のパートナー企業が本番環境に統合しているとのことです。ファッションアプリのWhering社CEOは、低品質な商品写真をスタジオ撮影レベルの素材に変換できるようになり、複雑な画像分類機能を維持しながら迅速な開発が可能になったとコメントしています。
構造化・予測可能な出力が得られる点が、プロダクション利用における評価のポイントになっているようです。大量の画像アセットを扱うEコマースやメディア系サービスでの導入事例が今後増えてくると思います。
プロベナンス機能——AI生成コンテンツの識別
AI生成コンテンツの識別に関しては、GoogleのSynthID技術にC2PA(Coalition for Content Provenance and Authenticity)のContent Credentialsを組み合わせる取り組みも発表されています。SynthIDを活用した検証機能は昨年11月の提供開始以来、20以上の言語で2,000万回以上利用されており、C2PA検証機能についてもGeminiアプリへの近日対応が予告されています。AI生成コンテンツの透明性確保という観点から、今後の利用拡大とともに重要性が増す機能と言えます。
利用可能なプラットフォーム
Nano Banana 2は本日より以下のプラットフォームで利用できます。
- Gemini API / Google AI Studio: プレビュー版として利用可能(有料APIキーが必要)
- Vertex AI: エンタープライズ向けにプレビュー提供
- Google Antigravity / Firebase: 組み込みサポート
- Geminiアプリ: Fast・Thinking・ProモデルでNano Banana Proを置き換える形で展開。Google AI Pro・Ultraサブスクライバーは専用タスク向けにNano Banana Proも引き続き利用可能
- Google検索: AIモードおよびLens経由で、141の新しい国・地域、8言語を追加してサポート
- Flow: 全Flowユーザーがクレジット消費なしで利用できるデフォルトの画像生成モデルとして採用
- Google Ads: キャンペーン作成時の画像提案に活用
まとめ
Nano Banana 2は、Flashモデルの速度・コスト効率を維持しながら、世界知識の活用、多言語テキストローカライズ、被写体一貫性といったProレベルの機能を統合した画像生成モデルです。本番環境での大量処理や多様なプラットフォームへの展開を考える開発者にとって、試す価値のある選択肢が増えたと思います。
