はじめに
Googleが2026年4月2日、動画編集ツール「Google Vids」に複数の新機能を追加したと発表しました。最新の動画生成モデル「Veo 3.1」を活用した無料の動画生成、カスタム音楽生成、AIアバターのディレクション機能など、個人・ビジネス用途を問わず活用できる更新内容です。本稿では、その概要と各機能の詳細を解説します。
参考記事
- タイトル: Create, edit and share videos at no cost in Google Vids
- 著者: David Nachum(Group Product Manager, Google Vids)
- 発行元: Google Blog
- 発行日: 2026年4月2日
- URL: https://blog.google/products-and-platforms/products/workspace/google-vids-updates-lyria-veo/
要点
- Googleアカウントを持つすべてのユーザーが、Veo 3.1を使った高品質な動画クリップを毎月10回まで無料で生成できるようになった
- Google AI ProおよびUltraサブスクライバーは、Lyria 3およびLyria 3 Proモデルを使ったカスタム音楽(30秒〜3分)を生成できる
- AIアバター機能が強化され、シーンへの配置・小道具との連携・外見のカスタマイズなどのディレクション操作が可能になった
- Chrome拡張機能によるブラウザからの画面録画と、YouTubeへの直接投稿機能が無料で追加された
- Google AI UltraおよびWorkspace AI Ultraアカウントでは、月最大1,000本のVeo動画生成が利用可能になった
詳細解説
無料で使える高品質動画生成——Veo 3.1の提供開始
Googleの発表によれば、今週からGoogleアカウントを持つすべてのユーザーが、最新の動画生成モデル「Veo 3.1」を使って動画クリップを無料で生成できるようになりました。個人アカウントには毎月10回分の無料生成枠が付与されており、必要に応じてプランをアップグレードすることも可能です。
テキストプロンプトや写真を入力するだけで高品質な映像クリップが生成される仕組みで、アニメーション風のイベントフライヤー作成、副業のプロモーション動画制作、誕生日グリーティングカードなど、幅広い用途が想定されています。VeoはGoogleDeepMindが開発する動画生成モデルシリーズで、Veo 3.1はその最新バージョンにあたります。テキストや画像から映像を生成する技術は近年急速に進展しており、個人が手軽に映像素材を作れる環境が整いつつあると言えます。
カスタム音楽生成——Lyria 3とLyria 3 Proの活用
Google AI ProおよびUltraサブスクライバー向けには、カスタム音楽生成機能が追加されました。Lyria 3およびLyria 3 Proモデルを活用し、30秒の短いクリップから3分間のトラックまで生成できます。
動画の雰囲気に合わせたサウンドトラックをAIが自動生成する機能で、誕生日メッセージ動画向けのポップな楽曲から、家族旅行のリール向けの爽やかなスコアまで、用途に応じた音楽制作が可能です。従来、動画に音楽を付ける際は著作権フリーの素材を探すか、外部サービスを利用する必要がありましたが、この機能により編集ツール内で完結できるようになる点は、制作フローの効率化につながると考えられます。
AIアバター機能の強化——ディレクション操作とカスタマイズ
Google AI ProおよびUltraサブスクライバーが利用できるAIアバター機能も大きく強化されました。Veo 3.1を活用したこの機能では、アバターに対して制作者が細かくディレクションを行えます。
具体的には、アバターを特定のシーンに配置したり、アップロードした商品やプロップ(小道具)と直接インタラクションさせたりすることが可能です。また、アバターの外見を細部まで調整し、衣装の変更や背景の差し替えを行いながら、声や人物としての一貫性を保つことができます。チュートリアル動画・製品紹介コンテンツ・ソーシャルメディア向けのオリジナルコンテンツ制作など、さまざまな場面での活用が想定されます。撮影機材や複数テイクにかかるコストと手間を抑えながら、統一感のある動画コンテンツを制作できる点が特徴と言えます。
録画・共有を効率化する新ツール
動画の録画から公開までのワークフローを簡略化する新機能も、すべてのユーザーに無料で提供されます。
まず、Google Vids Screen Recorder Chrome拡張機能が新たに公開されました。ブラウザからワンクリックでGoogle Vidsの画面録画スタジオ機能を呼び出せるため、あらかじめVidsを開いておく必要がなく、作業中の画面をその場で録画できます。
次に、YouTubeへの直接投稿機能が追加されました。ファイルをダウンロードしてアップロードする手順を省き、Vids上で編集した動画をそのままYouTubeに投稿できます。なお、すべての書き出しはデフォルトで「非公開」設定となっており、公開前に内容を確認できる設計になっています。
また、Googleの発表では、Google AI UltraおよびWorkspace AI Ultraアカウントについて、月間最大1,000本のVeo動画生成が利用可能になったことも明らかにされました。個人の無料枠(月10回)から法人・ヘビーユーザー向けの大量生成枠まで、用途に応じた段階的な利用体系が整いつつあると言えます。
まとめ
今回のGoogle Vids更新では、無料ユーザーへの動画生成開放から、有料プラン向けの音楽生成・AIアバター強化、そして共有ツールの整備まで、幅広い層を対象とした機能拡充が行われました。動画・音楽・アバターといった制作要素が1つのツールに集約される流れは今後も続くと考えられ、実際の活用事例がどのように広がっていくかが注目されます。
