はじめに
Googleは2026年4月20日、ブラウザ向けAI機能「Gemini in Chrome」をアジア太平洋地域のユーザーに展開すると発表しました。日本を含む7カ国のデスクトップおよびiOSユーザーが対象で、ウェブページの要約・複数タブの横断比較・Google Appsとの連携など幅広い機能が利用できるようになります。本稿では、今回の展開内容と各機能の概要を解説します。
参考記事
メイン記事:
- タイトル: We’re expanding Gemini in Chrome to users in Asia Pacific.
- 著者: Charmaine Dsilva
- 発行元: Google The Keyword
- 発行日: 2026年4月20日
- URL: https://blog.google/products-and-platforms/products/chrome/chrome-expands-apac/
関連情報:
- タイトル: The new era of browsing: Putting Gemini to work in Chrome
- 著者: Parisa Tabriz
- 発行元: Google The Keyword
- 発行日: 2026年1月29日
- URL: https://blog.google/products-and-platforms/products/chrome/gemini-3-auto-browse/
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要点
- 日本・オーストラリア・インドネシア・フィリピン・シンガポール・韓国・ベトナムの7カ国で、Gemini in ChromeのAI機能がデスクトップおよびiOSユーザーに展開される(日本ではiOS版は対象外)
- サイドパネル常駐のAIアシスタントから、長文の要約・複数タブ横断での情報比較・カレンダー調整が可能
- GoogleカレンダーやGmail・Maps・YouTube・Google Flightsとの深い連携により、ページを離れずに各種操作を完結できる
- Nano Banana 2によるテキストプロンプトでの画像変換、および過去の会話文脈を記憶するPersonal Intelligenceが利用可能
- セキュリティ対策として、プロンプトインジェクション検知と機密操作前のユーザー確認が組み込まれている
詳細解説
アジア太平洋7カ国への展開:日本は今日から利用可能
Googleによれば、2026年4月20日よりアジア太平洋地域のオーストラリア・インドネシア・日本・フィリピン・シンガポール・韓国・ベトナムの7カ国でGemini in ChromeのAI機能が利用可能になりました。対応するのはデスクトップ版とiOS版のChromeですが、Googleは日本においてiOS版は提供されないと明記しており、日本ユーザーはデスクトップChromeから利用することになります。
Gemini in Chromeは2026年1月、Gemini 3を搭載した形でアメリカ向けに発表されており(https://jobirun.com/google-chrome-gemini-3-auto-browse-agentic-browsing/)、今回のアジア太平洋展開はその地域拡大の第一弾にあたります。なお、1月の発表に含まれていた「Auto browse」——複数ステップの複雑なタスクをAIが代行するエージェント機能——は現時点では米国のGoogle AI ProおよびAI Ultraサブスクライバー向けに限定されており、今回のAPAC展開の対象機能には含まれていないと考えられます。
サイドパネルで完結するマルチタスク支援
今回展開される機能の中心となるのが、ブラウザ右側に常駐するサイドパネル型のAIアシスタントです。現在表示しているタブを閉じることなく、サイドパネルから別タブの情報をまとめたり横断的に比較したりすることができます。複数のサイトで商品レビューを調べながら要約を求めたり、カレンダー調整をしながら関連情報を検索したりといったマルチタスクの場面での活用が想定されます。
Connected Apps機能によって、GoogleカレンダーやGmail・Maps・YouTube・Google Shopping・Google Flightsなどの主要Googleサービスとの連携も可能です。Googleの発表では、イベント詳細を含むGmailを参照しつつGoogle Flightsでフライト候補を調べ、到着時刻を同僚にGmailで知らせるといった一連の作業をサイドパネルから完結させるシナリオが例示されています。各連携はGemini設定の「Connected Apps」セクションから有効化できます。同様の連携体験はGmailのGemini機能でも順次拡充されており、Googleサービス全体でのAI統合が着実に進んでいると言えます。
Nano Banana 2:ダウンロード不要でウェブ画像をその場で変換
Nano Banana 2の新機能もGemini in Chromeに統合されています。サイドパネルにテキストプロンプトを入力するだけで、ウェブページ上の画像をその場で変換・加工できる機能で、画像をダウンロードして別のツールへ再アップロードする手間が省けます。
Nano Banana 2はGoogleのFlashクラスの画像生成モデルで、2026年2月にリリースされました(https://jobirun.com/google-nano-banana-2-gemini-flash-image-features/)。Chrome統合では、インテリアの模様替えのアイデアを試したり、調査データをインフォグラフィックに変換したりといった用途が例示されています。Googleによれば、この機能はすべてのGemini in Chromeユーザーが利用可能です。ブラウジング中にその場で画像を変換できる体験は、従来のブラウザにはなかった新しい形のコンテンツ活用と言えるかもしれません。
Personal Intelligenceとセキュリティ設計
Gemini in Chromeには「Personal Intelligence」機能が搭載されており、過去の会話コンテキストを記憶することでユーザーに合わせたパーソナライズされた回答が得られます。この機能はオプトイン形式で、接続するアプリの追加や切断をいつでも自分で選択できる設計になっています。また、あらかじめ固有の指示(好みや優先事項など)をGeminiに設定しておくことでより精度の高い回答が得られます。
セキュリティ面についてGoogleは、設計段階からセキュリティを組み込んでいると説明しています。モデルはプロンプトインジェクション攻撃——ウェブページに埋め込まれた悪意ある指示をAIが誤って実行してしまうリスク——を検知する訓練を受けており、機密性の高い操作(決済や投稿など)を行う前にユーザーへの確認を求める仕組みが組み込まれています。AIがブラウザに深く統合されるほど、こうしたセキュリティ設計の重要性は高まると考えられます。
まとめ
Googleの「Gemini in Chrome」が日本を含むアジア太平洋7カ国で利用可能になりました。サイドパネルからのマルチタスク支援・Google Appsとの連携・Nano Banana 2による画像変換・Personal Intelligenceによるパーソナライズと、機能は多岐にわたります。日本ではデスクトップChromeのみの対応となりますが、日常的なブラウジング体験が変わる可能性があります。Chromeの最新AI機能については他の記事でも紹介していますので、あわせてご覧いただければと思います(https://jobirun.com/google-chrome-skills-gemini-prompt-reuse/)。
