はじめに
GitHubは2026年3月25日、Copilot Free・Pro・Pro+ユーザーを対象に、インタラクションデータをAIモデルの学習・改善に活用する方針の変更を発表しました。本稿では、対象データの範囲、除外されるユーザー層、そしてオプトアウトの方法について解説します。
参考記事
- タイトル: Updates to GitHub Copilot interaction data usage policy
- 著者: Mario Rodriguez
- 発行元: GitHub Blog
- 発行日: 2026年3月25日
- URL: https://github.blog/news-insights/company-news/updates-to-github-copilot-interaction-data-usage-policy/
要点
- 2026年4月24日以降、Copilot Free・Pro・Pro+ユーザーのインタラクションデータ(入力・出力・コードスニペット・関連コンテキスト)がAIモデルの学習に使用される
- Copilot BusinessおよびCopilot Enterpriseユーザーは今回の変更の対象外である
- 設定画面の「プライバシー」セクションからオプトアウトが可能で、以前にオプトアウト済みのユーザーはその設定が引き継がれる
- GitHubはMicrosoft社員のインタラクションデータをすでに学習に活用しており、複数の言語でコード補完の採用率が向上するなど有意な改善を確認している
- 収集データはGitHub関連会社(Microsoftを含む)と共有される場合があるが、サードパーティのAIプロバイダーへの提供は行わない
詳細解説
ポリシー変更の概要と対象ユーザー
GitHubは2026年3月25日、Copilotのデータ利用に関するポリシー更新を発表しました。GitHubによれば、2026年4月24日以降、Copilot Free・Pro・Pro+の各プランユーザーのインタラクションデータが、AIモデルのトレーニングと改善に使用されます。ここでいうインタラクションデータとは、ユーザーがCopilotに送信した入力、モデルが生成した出力、提示されたコードスニペット、および関連するコンテキスト情報を指します。
ただし、Copilot BusinessおよびCopilot Enterpriseのユーザーは対象外です。また、以前にデータ収集をオプトアウト済みのユーザーについては、その設定が引き継がれ、新たに同意しない限りデータは学習に使用されないとのことです。
学習に使用されるデータの詳細
GitHubの発表によれば、このプログラムで収集・活用される可能性があるデータには以下が含まれます。
- ユーザーが採用または修正したコード補完の出力
- Copilotに送信した入力(モデルに提示されたコードスニペットを含む)
- カーソル位置周辺のコードコンテキスト
- 記述したコメントやドキュメント
- ファイル名、リポジトリ構造、ナビゲーションパターン
- チャット・インラインサジェストなどのCopilot機能との操作履歴
- サジェストへのフィードバック(サムズアップ・ダウン評価)
一方、以下のデータは学習に使用されないと明記されています。
- Copilot Business・Copilot Enterpriseのインタラクションデータ
- モデル学習をオプトアウトしたユーザーのデータ
- 保存状態(at rest)にあるissue・discussion・プライベートリポジトリのコンテンツ
「保存状態(at rest)」という表現には注意が必要です。 GitHubは「Copilotを積極的に使用している際には、プライベートリポジトリのコードも処理される」と明記しており、その際のインタラクションデータはオプトアウトしない限り学習に使用される可能性があります。プライベートリポジトリを扱う開発者は、この点を踏まえて設定を確認することが重要と思います。
データの共有範囲とプライバシーの扱い
収集されたデータはGitHubの関連会社(Microsoftを含む企業グループ)と共有される場合があります。ただしGitHubによれば、サードパーティのAIモデルプロバイダーや独立したサービスプロバイダーへのデータ共有は行わないとしています。
開発組織のデータガバナンスポリシーによっては、個人設定でのオプトアウトだけでなく、組織レベルでの方針確認も必要になる場合があると考えられます。特に受託開発やセキュリティ要件が厳しい環境では、この点を事前に確認しておくことをお勧めします。
実データ活用による改善効果とGitHubの狙い
GitHubはこれまで、公開データと手作りのコードサンプルを組み合わせてモデルを構築してきました。ここ1年でMicrosoft社員のインタラクションデータを学習に組み込み始め、GitHubによれば複数のプログラミング言語でコード補完の採用率が向上するなど、有意な改善が確認されています。さらに今後は、GitHub社員のデータも学習に活用していく方針とのことです。
こうした実績をもとに、より多様なユースケースへの対応を目指して今回の方針変更が行われたと考えられます。実際の開発ワークフローから得たデータを学習に取り込むことで、正確で安全なコードパターンの提案精度や、潜在的なバグの早期発見能力の向上が期待されます。
オプトアウトの方法
このプログラムへの参加を希望しない場合は、GitHubの設定画面(https://github.com/settings/copilot)の「プライバシー」セクションからオプトアウトできます。GitHubによれば、オプトアウトを選択した場合も、これまで通りCopilotの各種AI機能を利用できます。
まとめ
GitHubは2026年4月24日から、Copilot Free・Pro・Pro+ユーザーのインタラクションデータをAIモデルの学習に活用する方針を発表しました。Business・Enterpriseユーザーは対象外で、オプトアウトも可能です。プライベートリポジトリを扱う場合は「保存状態」の扱いに注意が必要で、設定の確認をお勧めします。
