はじめに
GoogleのThe Keywordが2026年3月3日、実験的AIプロトタイプ「Project Genie」を使いこなすためのプロンプト作成ガイドを公開しました。テキストや画像から自分だけのインタラクティブな世界をリアルタイムで生成・探索できるこのツールの活用法を、本稿で解説します。
参考記事
- タイトル: Create new worlds in Project Genie with these 4 tips
- 著者: Molly McHugh-Johnson
- 発行元: Google Blog(The Keyword)
- 発行日: 2026年3月3日
- URL: https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/google-deepmind/tips-prompt-writing-project-genie/
要点
- Project Genieは、テキストまたは画像をもとに自分だけのインタラクティブな世界を生成・探索・リミックスできるGoogleの実験的研究プロトタイプである
- 現在はアメリカ在住18歳以上のGoogle AI Ultraサブスクライバー向けに提供されており、今後の拡大が予定されている
- 環境・キャラクター・視点の3要素を組み合わせて指定することで、より思い通りの世界を生成できる
- テキストプロンプトだけでなく、自分の画像をアップロードして世界の雰囲気を設定することも可能である
- Nano Banana Proによるプレビュー機能で、探索前に世界とキャラクターの外観をリアルタイムで確認・調整できる
詳細解説
Project Genieとはどんなツールか
Project Genieは、Googleが公開した実験的な研究プロトタイプで、ユーザーが自分だけのインタラクティブな世界を作成・探索・リミックスできるAIツールです。Googleによれば、想像上の惑星への旅や、海の生き物と一緒に水中を泳ぐといった体験をリアルタイムで楽しめます。現在はアメリカ在住18歳以上のGoogle AI Ultraサブスクライバーを対象に提供されており、今後さらなる拡大が予定されています。
生成AIを活用したインタラクティブな世界生成は、従来のゲームエンジンや3Dモデリングソフトウェアの専門知識がなくても、自然言語の指示だけで没入型の体験空間を構築できる点で、新しいアプローチと言えます。プロンプトはテキストのみ、またはテキストと画像の組み合わせで入力できます。

コツ1: 環境を細かく描写する
Googleのガイドラインでは、まず作りたい環境の種類を具体的に記述することを推奨しています。「森」「都市」「月」などの場所を選んだうえで、「森は豊かに茂っているか、それとも冬景色か」「都市は賑やかか、廃墟のように静かか」といった細部の指定が重要です。建物や物体の配置、天気(風や雪など)の情報を加えることも有効とされています。さらに、フォトリアルな表現にするか、カートゥーン風やゲーム風にするかといったビジュアルスタイルの方向性も指定できます。
プロンプトにおける詳細な記述は、画像生成AIでも広く有効とされている手法です。「どんな見た目か」だけでなく「どんな雰囲気か」まで言語化することで、生成結果が意図に近づく傾向があると考えられます。
コツ2: キャラクターを設定する
世界を探索する際の”案内役”となるキャラクターの設定も、重要な要素の一つです。Googleによれば、「小さな青いキリン」から「巨大なピクセルアートの人形」まで、キャラクターの外見は自由に設定できます。移動方法(飛ぶ、車輪で転がる、後ろ向きに走るなど)や、動いたときに生じるエフェクト(ジャンプするたびに煙が出るなど)も指定でき、キャラクター設定を細かくするほど世界との一体感が高まると思います。
コツ3: 自分の画像から世界を作る
テキストだけでなく、自分の画像をアップロードして環境を構築する方法も紹介されています。画像に加えて「暗くて嵐のような雰囲気」や「ぬめりのある素材でできているような見た目」といった環境の特徴をテキストで補足します。Googleは、アップロードする画像についてキャラクターがフレーム中央に配置され、環境が判別できる程度の背景が映っているものを使うよう案内しています。
自分の写真や手書きのイラストなどを出発点にできる点は、世界観の構築において直感的な入力手段として活用できると思います。
コツ4: 短く直接的な言葉で書き、感覚的な詳細で雰囲気を伝える
プロンプトの文体については、短く断定的な表現が効果的とされています。Googleの案内では、「サンゴが豊富な水中シーン」のような簡潔な指定が推奨されており、キャラクターはたとえば「金魚」といった形で設定できます。プロンプト作成に迷った場合は、GeminiアプリをProject Genieと組み合わせて活用することも紹介されています。
また、Nano Banana Proというモデルを使ったプレビュー機能があり、探索を始める前に世界とキャラクターの外観や操作感を確認し、リアルタイムでプロンプトを調整できます。プロンプトをGeminiに添削・改善してもらうという使い方は、複数のAIツールを組み合わせた実践的な連携例として参考になると思います。
コツ5: 一人称・三人称の視点を切り替えて探索する
世界の探索方法にも選択肢があります。Googleによれば、キャラクターの目線で世界を見る一人称視点と、キャラクターを上から眺める三人称視点の2種類から選択でき、視点切り替えボタンで随時変更が可能です。同じ世界でも視点を変えることで、探索の印象が大きく変わると考えられます。
まとめ
Googleが公開したProject Genieのガイドラインでは、環境の細部描写・キャラクター設定・画像の活用・直接的なプロンプト表現・視点の切り替えという5つのコツが紹介されています。専門知識なしに没入型の世界を作れるこのツールが、今後どこまで広がるか注目です。
