はじめに
GitHubが2026年1月26日、ブログでGitHub Copilot CLIの最新機能を紹介しました。2025年9月にパブリックプレビューでローンチして以来、頻繁にアップデートを重ねてきたCopilot CLIは、ターミナル上で自然言語を使ってコード作業やインフラ管理を実行できるAIアシスタントです。本稿では、その主要機能と実用的な活用例を解説します。
参考記事
- タイトル: Power agentic workflows in your terminal with GitHub Copilot CLI
- 著者: Dylan Birtolo
- 発行元: GitHub Blog
- 発行日: 2026年1月26日(2026年1月29日更新)
- URL: https://github.blog/ai-and-ml/github-copilot/power-agentic-workflows-in-your-terminal-with-github-copilot-cli/
要点
- GitHub Copilot CLIは、ターミナル上で自然言語を使ってリポジトリのクローン、依存関係の設定、プロセス管理などを実行できる
- 画像分析機能を備え、スクリーンショットからバグを特定して修正案を提示する
- カスタムエージェントやGitHub MCP serverと統合し、アクセシビリティチェックやissue検索を自動化できる
- /delegateコマンドでコーディングエージェントにタスクを委譲し、バックグラウンドで作業を進められる
- ヘッドレスオペレーションに対応し、スクリプトや自動化ワークフローに組み込める
詳細解説
ターミナルでのAI活用の意義
GitHubによれば、開発者はSSH接続、コンテナのデバッグ、CI/CDパイプラインの管理、デプロイスクリプトの作成など、IDE外での作業に多くの時間を費やしています。Copilot CLIは、こうした作業をターミナル上で自然言語を使って実行できるようにすることで、マニュアルやドキュメントを検索する時間を削減することを目指しています。
GitHub Copilot をCLIに統合することで、開発者が既に作業している環境に直接AIアシスタントを提供できると考えられます。
主要機能の実例
GitHubブログでは、具体的な使用例が紹介されています。
例えば、プロジェクトへの参加初日で、コードベースや使用言語、フレームワークに不慣れな状況を想定します。フィードバックフォームのUIバグ修正を依頼された場合、まずリポジトリをクローンする必要があります。Copilot CLIに「Clone the feedback repo and set us up to run it」と指示すると、リポジトリのドキュメントを参照し、必要な依存関係を特定してセットアップを実行します。
サーバー起動時に「port 3000 already in use」というエラーが発生した場合、「What is using port 3000?」と尋ねるだけで、該当のプロセスIDを特定できます。さらに「Find and kill the process on port 3000」と指示すれば、コマンドの構文を調べることなくプロセスを終了できます。
バグの特定には画像分析機能が活用できます。バグレポートに添付されたスクリーンショットをリポジトリにアップロードし、「Fix the bug shown in @FIX-THIS.PNG」と指示すると、Copilotが問題を分析して修正案を提示します。提示された変更内容を確認した上で、自動適用するかどうかを選択できる仕組みです。
カスタムエージェントとの連携
Copilot CLIは、カスタムエージェントとの統合にも対応しています。GitHubの例では、チームが厳格なアクセシビリティ要件を設定しており、それをチェックするカスタムエージェントが用意されている状況が紹介されています。
/agentコマンドを実行すると、利用可能なカスタムエージェントの一覧が表示され、適切なエージェントを選択できます。「Review our changes」と指示すると、そのエージェントが変更内容を検証し、問題があれば修正案を提示します。この仕組みは、コードの品質チェックを自動化する上で有効と考えられます。
GitHub MCP serverによるissue管理
Copilot CLIには、GitHub MCP serverが統合されています。これにより、github.comを手動で開くことなく、リポジトリ上の情報にアクセスできます。
「Are there any open issues that map to the work we’re doing?」と尋ねると、MCP serverが全てのissueを検索し、現在の作業に関連するissueを特定します。特定されたissueが完全には解決されていない場合、/delegateコマンドを使ってコーディングエージェントにタスクを委譲できます。
例えば「/delegate Finish fixing the issue outlined in #1 and use the playwright MCP server to ensure that it’s fixed」と指示すると、コーディングエージェントがバックグラウンドでタスクに取り組み、完了後にプルリクエストを作成します。この機能は、標準的なCopilotコーディングエージェントのワークフローと同様の仕組みですが、CLIから開始できる点が特徴です。
ヘッドレスオペレーションとスクリプト対応
Copilot CLIは、ヘッドレスオペレーションにも対応しています。例えば、以下のコマンドでプロセスを終了できます。
copilot –allow-all-tools -p “Kill the process using port 3000”
–allow-all-toolsフラグは、全てのツールへのアクセスを許可しますが、本番環境では慎重に使用すべきオプションです。Copilot CLIでは、特定のディレクトリやツールのみへのアクセスを許可したり、特定のコマンド(リポジトリへのpushなど)を制限したりするフラグも提供されています。
利用可能なフラグの一覧は、copilot –helpで確認できます。認証は、ログインコマンドによる対話的な方法や、パーソナルアクセストークンを使用する方法があり、自動化ワークフローでの利用も可能です。GitHubによれば、エンタープライズ向けの認証方法も開発中とのことです。
対応環境とインストール
Copilot CLIは、Windows(WSLとPowerShellの両方)、Mac OS、Linuxに対応しています。プラットフォーム固有のインストール方法は、Copilot CLIのREADMEで提供されています。
開発状況や要望の追跡は、公開されているGitHub Copilot CLIリポジトリで確認できます。GitHubは継続的にアップデートを提供しており、ユーザーからのフィードバックを募集しています。
まとめ
GitHub Copilot CLIは、ターミナル上で自然言語を使った開発作業を可能にするツールです。画像分析、カスタムエージェント連携、GitHub MCP serverとの統合により、IDE外での作業効率化が期待できます。ヘッドレスオペレーションへの対応により、スクリプトや自動化ワークフローへの組み込みも可能です。今後の機能拡張やエンタープライズ向け認証の充実により、より幅広い開発環境での活用が見込まれます。
