はじめに
OpenAIが2026年4月23日、同社の最新フロンティアモデル「GPT-5.5」を発表しました。コーディング・ナレッジワーク・科学研究という3つの主要領域で前世代モデルのGPT-5.4を上回る性能を示しながら、応答速度はGPT-5.4と同等を維持しています。さらに、過去最強のセーフガードの導入、バイオリスク対策の外部検証プログラムの開始、そして推論インフラ面での大規模な最適化も同時に公表されました。本稿では、OpenAIの発表内容・システムカード・Bio Bug Bountyプログラムの3つの資料をもとに、GPT-5.5の全体像を詳しく解説します。
参考記事
メイン記事:
- タイトル: Introducing GPT‑5.5
- 著者: OpenAI
- 発行元: OpenAI
- 発行日: 2026年4月23日
- URL: https://openai.com/index/introducing-gpt-5-5/
関連情報:
- タイトル: GPT‑5.5 System Card
- 発行元: OpenAI
- 発行日: 2026年4月23日
- URL: https://openai.com/index/gpt-5-5-system-card/
- タイトル: GPT‑5.5 Bio Bug Bounty
- 発行元: OpenAI
- 発行日: 2026年4月23日
- URL: https://openai.com/index/gpt-5-5-bio-bug-bounty/
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要点
- GPT-5.5はコーディング・ナレッジワーク・科学研究の3領域でGPT-5.4を上回り、Terminal-Bench 2.0で82.7%、OSWorld-Verifiedで78.7%、GDPvalで84.9%、BixBenchで80.5%などを記録した
- GPT-5.4と同等のトークン生成速度を維持しながらCodexタスクでのトークン消費を削減しており、性能と効率を同時に改善したモデルとして位置づけられている
- 生物・化学およびサイバーセキュリティ能力をPreparedness Frameworkで「High」と評価し、過去最強のセーフガードを導入してリリースされた
- ChatGPTではPlus・Pro・Business・Enterpriseユーザー向けに展開し、APIは入力100万トークン5ドル・出力30ドルで近日提供予定である
- バイオリスク対策の「Bio Bug Bounty」プログラムを同日開始し、外部研究者によるジェイルブレイク検証に最大2万5,000ドルの報奨金を設定した
詳細解説
GPT-5.5の設計思想:「任せられるモデル」への転換
2026年3月にGPT-5.4が発表されて以来、OpenAIはプロフェッショナル業務向けフロンティアモデルの進化を短いサイクルで続けてきました。GPT-5.5はその延長線上にあるモデルですが、OpenAIが強調するのは単純な性能向上ではなく、「何をしたいのかをより速く理解し、より多くの作業を自律的に担う」という質的な変化です。
OpenAIによれば、GPT-5.5は整理されていない複数パートからなるタスクを渡されても、自ら計画を立て、ツールを使い、作業内容を検証しながらゴールまで進み続けることができます。コードの書き込みとデバッグ、オンラインリサーチ、データ分析、ドキュメントやスプレッドシートの作成、ソフトウェアの操作といった領域がその強みとして挙げられており、各ステップを人間が細かく管理する必要なく、まとまった作業単位で委ねられる設計を目指したとされています。
また、OpenAIはGPT-5.5を「コンピュータ上での新しい仕事の仕方に向けた次のステップ」とも位置づけており、コーディングで始まったAIによる業務加速が、科学研究や一般的なコンピュータ作業にまで広がりつつあるという認識を示しています。
推論効率の改善:速度を維持しながら賢くなった理由
能力が高い大型モデルはレイテンシが増大しやすいという課題があります。GPT-5.5がGPT-5.4と同等のトークン/秒を維持できた背景について、OpenAIは推論インフラとモデル開発の共同設計を挙げています。
GPT-5.5はNVIDIA GB200およびGB300 NVL72システム向けに共同設計・トレーニングされています。さらに注目されるのは、GPT-5.5自身がその推論インフラの改善に貢献したという点です。OpenAIによれば、Codexがチームのアイデア実装・ベンチマーク化のサイクルを加速し、GPT-5.5がスタック自体の重要な改善点の発見と実装を手伝ったとのことで、「モデルが自分自身を動かすインフラの改善に貢献した」という構造になっています。
具体的な改善施策として、ロードバランシングとパーティショニングのヒューリスティックが挙げられています。従来はアクセラレータ上のリクエストを固定数のチャンクに分割していましたが、これはあらゆるトラフィックパターンに最適ではありませんでした。CodexがGPU使用率を高めるために数週間分の本番トラフィックパターンを分析し、最適化するカスタムアルゴリズムを作成した結果、トークン生成速度が20%以上向上したとOpenAIは説明しています。
トークン効率の改善もGPT-5.5の特徴の1つです。Artificial Analysis Coding Indexによれば、GPT-5.5は競合フロンティアコーディングモデルの半分のコストで最高水準の性能を提供しており、Codexのほとんどのユーザーに対してGPT-5.4より少ないトークン数で優れた結果をもたらすよう調整されているとOpenAIは述べています。
コーディング能力:ベンチマークと実際の利用者評価
ベンチマーク結果
コーディング領域での主なベンチマーク結果は以下の通りです(いずれもOpenAIの発表値)。
| ベンチマーク | GPT-5.5 | GPT-5.4 | Claude Opus 4.7 | Gemini 3.1 Pro |
| Terminal-Bench 2.0 | 82.7% | 75.1% | 69.4% | 68.5% |
| SWE-Bench Pro (Public) | 58.6% | 57.7% | 64.3%* | 54.2% |
| Expert-SWE (Internal) | 73.1% | 68.5% | — | — |
*SWE-Bench Proについては、Anthropicを含む複数の研究機関がメモリーゼーション(記憶による回答)の可能性を指摘しており、スコアの解釈には注意が必要だとOpenAIが注記しています。
Terminal-Bench 2.0は、計画・反復・ツール連携を要する複雑なコマンドライン作業を評価するベンチマークです。GPT-5.5の82.7%はこの評価における現時点の最高スコアとされています。Expert-SWEはOpenAI社内のベンチマークで、人間の専門家が平均20時間かかる長期コーディングタスクを対象としており、GPT-5.5はここでもGPT-5.4を上回っています。
3つのベンチマークすべてで、GPT-5.5はGPT-5.4より少ないトークン数で同等以上のスコアを出しているとOpenAIは説明しています。
早期テスターの評価
ベンチマーク外での評価でも、早期テスターからはGPT-5.4を明確に超えるという声が複数寄せられています。
EveryのCEO・Dan Shipper氏は、GPT-5.5を「概念的な明確さを持つ初めてのコーディングモデル」と評しました。同氏はリリース後の問題を数日間デバッグした後、優秀なエンジニアに依頼してシステムの一部を書き直してもらった経験を持ちます。同じ状況をGPT-5.5に試みさせたところ、GPT-5.4では再現できなかったエンジニアの判断と同等のリライトをGPT-5.5は実行できたと報告しています。
MagicPathのCEO・Pietro Schirano氏は、フロントエンドとリファクタリングで数百件の変更を含むブランチを、同様に大幅に変更されたメインブランチにマージする作業をGPT-5.5が約20分で一発解決したと述べています。
CursorのCEO・Michael Truell氏は「GPT-5.5はGPT-5.4よりも明らかにスマートで粘り強く、複雑な長時間タスクで早期停止することなく継続できる点が最も重要だ」とコメントしています。また、NVIDIAの技術者からは「GPT-5.5へのアクセスを失うことは、手足を1本失うようだ」という言葉も寄せられており、日常業務への組み込み度の高さが伝わります。
早期テスターが共通して挙げる強みは、大規模なシステムの全体像の把握能力です。何が壊れているか・どこを直すべきか・修正が周辺コードに与える影響まで見通した上で動けること、曖昧な失敗の原因をツールを使って仮説検証しながら推論できることが、前世代との質的な差として指摘されています。
ナレッジワーク:44職種を横断する評価と実業務での大規模活用
ベンチマーク結果
ナレッジワーク・コンピュータ操作の領域では以下の結果が報告されています。
| ベンチマーク | GPT-5.5 | GPT-5.4 | Claude Opus 4.7 | Gemini 3.1 Pro |
| GDPval(wins or ties) | 84.9% | 83.0% | 80.3% | 67.3% |
| OSWorld-Verified | 78.7% | 75.0% | 78.0% | — |
| Tau2-bench Telecom | 98.0% | 92.8% | — | — |
| FinanceAgent v1.1 | 60.0% | 56.0% | 64.4% | 59.7% |
| 投資銀行モデリング(社内) | 88.5% | 87.3% | — | — |
| OfficeQA Pro | 54.1% | 53.2% | 43.6% | 18.1% |
GDPvalは44職種にわたるナレッジワークタスクでエージェントの成果を産業の専門家と比較する評価です。GPT-5.5の84.9%という勝率は、業界専門家基準(68.2%)を大きく上回っています。OSWorld-Verifiedは実際のコンピュータ環境をモデルが自律的に操作できるかを測るもので、GPT-5.5の78.7%はClaude Opus 4.7の78.0%をわずかに上回っています。
Tau2-bench Telecomは複雑なカスタマーサービスワークフローを測定するベンチマークで、プロンプト調整なしの条件で98.0%という高いスコアを記録しています。なお、他社モデルのスコアはプロンプト調整ありの条件で測定されたものも含まれるため、比較には留意が必要です。
ChatGPTとCodexでの機能展開
OpenAIによれば、GPT-5.5 Thinkingはより難しい問題に対してより速く、より簡潔な回答を提供するモードとして展開されます。コーディング・リサーチ・情報統合・分析・文書処理、特にプラグインを使う作業で強みを発揮するとされています。
GPT-5.5 Proは早期テスターから、回答の包括性・構造・正確性・関連性・有用性のすべてでGPT-5.4 Proを大幅に上回るという評価を受けており、特にビジネス・法律・教育・データサイエンスの領域での性能が際立っているとのことです。レイテンシの改善によって、より要求の高いタスクでも実用的に使えるようになったとも述べられています。
OpenAI社内での実際の活用事例
OpenAI社内では85%以上の従業員が毎週Codexを利用しており、ソフトウェアエンジニアリング・財務・コミュニケーション・マーケティング・データサイエンス・プロダクトマネジメントと幅広い職種で使われているとOpenAIは報告しています。
具体的な事例として3つが紹介されています。コミュニケーションチームは6か月分の登壇申請データを分析してスコアリングとリスクフレームワークを構築し、低リスクのリクエストを自動処理するSlackエージェントを検証しました。財務チームは71,637ページに及ぶ24,771件のK-1税務フォームを、個人情報を除外するワークフローを活用しながら前年より2週間早く処理しました。マーケティング担当者は週次ビジネスレポートの自動生成により週5〜10時間を節約しています。
科学研究への貢献:数学の新証明から遺伝子解析まで
ベンチマーク結果
科学・学術領域での主なベンチマーク結果は以下の通りです。
| ベンチマーク | GPT-5.5 | GPT-5.4 | GPT-5.5 Pro | GPT-5.4 Pro |
| GeneBench | 25.0% | 19.0% | 33.2% | 25.6% |
| BixBench | 80.5% | 74.0% | — | — |
| FrontierMath Tier 1–3 | 51.7% | 47.6% | 52.4% | 50.0% |
| FrontierMath Tier 4 | 35.4% | 27.1% | 39.6% | 38.0% |
| GPQA Diamond | 93.6% | 92.8% | — | 94.4% |
| Humanity’s Last Exam(ツールあり) | 52.2% | 52.1% | 57.2% | 58.7% |
GeneBenchは遺伝学・定量生物学における多段階科学データ分析に特化した新しい評価です。最小限の監督下で曖昧・誤りを含む可能性のあるデータを扱い、統計的手法を正しく実装・解釈することが求められます。これらのタスクは科学の専門家にとっても数日がかりのプロジェクトに相当すると説明されています。GPT-5.5はGPT-5.4の19.0%から25.0%へと改善しており、GPT-5.5 Proでは33.2%に達しています。
BixBenchは実際のバイオインフォマティクスとデータ分析を対象としたベンチマークで、公開スコアを持つモデルの中でGPT-5.5が最高性能を達成しています(80.5%)。
FrontierMathはTier 1〜3(中〜高難度の数学問題)とTier 4(最高難度)に分かれており、GPT-5.5はTier 4でGPT-5.4の27.1%から35.4%へと大きく改善しています。数学的推論の最難度領域での伸びが目立ちます。
ラムジー数の新証明発見
GPT-5.5に関する発表の中で特に注目されるのが、数学的な新証明の発見です。OpenAIによれば、カスタムハーネスを備えたGPT-5.5の内部バージョンが、組み合わせ数学の未解決問題の1つであるラムジー数に関する新しい証明を発見し、後に証明支援システムLeanで検証されたとのことです。
ラムジー数とは、ネットワーク(グラフ)がある程度の大きさになると、必ず特定の規則的構造が現れる最小サイズを問う問題です。組み合わせ数学の中核的な研究対象であり、この領域での新しい結果は希少で技術的に難しいとされています。今回GPT-5.5が証明したのは、非対称ラムジー数に関する長年知られていた漸近的事実についての証明で、OpenAIはこれを「コードや説明ではなく、核心的な研究領域における驚くべき有用な数学的議論をAIが提供した具体的な例」と位置づけています。
早期テスターの研究事例
研究者の早期テスト事例として、2件が詳しく紹介されています。
ジャクソン研究所の免疫学教授・Derya Unutmaz氏は、GPT-5.5 Proを使って62サンプル・約28,000遺伝子の遺伝子発現データセットを分析し、主要な知見や洞察を整理した詳細なリサーチレポートを生成しました。チームが数か月かかるような作業量の成果だったと氏は述べています。
ポーランド・アダム・ミツキェヴィチ大学の数学准教授・Bartosz Naskręcki氏は、Codexに1つのプロンプトを与えることで代数幾何学の可視化アプリを11分で構築しています。2つの二次曲面と赤色で表示された交差曲線を描画し、リーマン・ロッホ定理を用いてワイエルシュトラス曲線に変換するという専門的な内容で、専用ツールなしには実現が難しかった数学的可視化・計算代数ワークフローを、Codexが実装できるようになったことを意味すると氏は評価しています。
Axiom BioのCEO・Brandon White氏は「GPT-5.5が大規模な生化学データセットを推論して人間への薬剤結果を予測し、最難の創薬評価で大幅な精度向上をもたらした。このペースで進化が続けば、年内に創薬の基盤が変わりうる」とコメントしています。
サイバーセキュリティ対策:能力向上と防御アクセスの拡大
Preparedness Frameworkでの評価
GPT-5.5のシステムカードによれば、生物・化学およびサイバーセキュリティ能力はPreparedness Framework上で「High」と評価されています。「Critical」レベルには達していないものの、GPT-5.4からの明確な能力向上が確認されています。
サイバーセキュリティのベンチマークでは、CyberGymで81.8%(GPT-5.4は79.0%、Claude Opus 4.7は73.1%)、社内CTF(Capture the Flags)チャレンジタスクで88.1%(GPT-5.4は83.7%)を記録しています。
セーフガードの強化
GPT-5.2でのサイバーセーフガード導入以来、OpenAIは各モデルリリースごとに段階的に対策を強化してきました。GPT-5.5では特に高リスクな活動や機密性の高いサイバーリクエストに対するより厳しいコントロールを設計し、繰り返しの悪用への対策も追加されています。導入当初は一部のユーザーが煩わしく感じる可能性があるとOpenAIも認めており、時間をかけて調整を続ける方針としています。
防御側のアクセス拡大についても言及されており、「Trusted Access for Cyber」として、より少ない制限で高度なサイバーセキュリティ機能を利用できるCodex向けの拡張アクセスが、一定の信頼シグナルを満たした検証済みユーザーに提供されます。重要インフラの防衛を担う組織向けには、厳格なセキュリティ要件を満たした上でGPT-5.4-Cyberなどのサイバー対応モデルへのアクセスを申請できる枠組みも用意されています。さらに、政府パートナーとの協力により、電力網・水道・公共データシステムといった重要インフラの防衛業務での活用も探っているとのことです。
Bio Bug Bounty:外部研究者によるジェイルブレイク検証
GPT-5.5のリリースと同日に「Bio Bug Bounty」プログラムが開始されました。これは、Codex Desktop上のGPT-5.5を対象に、バイオセーフティに関する5つの質問すべてに答えられるジェイルブレイクを発見した研究者に報奨金を提供するプログラムです。
プログラムの概要は以下の通りです。
- 対象モデル: Codex Desktop上のGPT-5.5のみ
- 課題: プロンプト1つで、モデレーションを回避しながらバイオセーフティに関する5つの質問をすべて解答させる「ユニバーサルジェイルブレイク」を発見すること
- 最大報奨金: 2万5,000ドル(全5問クリアの場合)。部分的な成果に対しても裁量で少額の報奨金が支払われる可能性あり
- 応募受付: 2026年4月23日〜6月22日(ローリング選考)
- テスト期間: 2026年4月28日〜7月27日
- アクセス: 書類審査を経た招待制。既存のChatGPTアカウントが必要、NDA締結が条件
プログラムに参加希望の研究者は、氏名・所属・経験を記載した応募書類を提出します。OpenAIはすでに信頼できるバイオレッドチーマーのリストを持ち、そこへの招待と新規応募審査を並行して行う予定です。
このような形で外部研究者を積極的に巻き込んでモデルの安全性を検証するアプローチは、フロンティアモデルの能力評価において内部評価だけでは限界があるという認識を反映しているといえます。バイオリスクは特に影響の深刻さが大きい分野であり、外部からの厳しい検証を通じて対策の頑健性を高めようとする姿勢は評価できると思います。
提供形態と価格の詳細
ChatGPTでの展開
GPT-5.5はChatGPTにおいてPlus・Pro・Business・Enterpriseユーザー向けに順次展開されます。GPT-5.5 ProはPro・Business・Enterpriseユーザーが対象です。GPT-5.5 Thinkingは難しい問題に対してより速くより簡潔な回答を提供するモードで、Plus・Pro・Business・Enterpriseユーザーが利用できます。
Codexでの展開
Codexでは、GPT-5.5がPlus・Pro・Business・Enterprise・Edu・Goプラン向けに40万トークンのコンテキストウィンドウで提供されます。通常の1.5倍速でトークンを生成するFastモードも用意されており、こちらは通常の2.5倍のコストが設定されています。
APIの価格
API向けの価格設定は以下の通りです(近日公開予定)。
| モデル | 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) |
| gpt-5.5 | $5 | $30 |
| gpt-5.5-pro | $30 | $180 |
コンテキストウィンドウは100万トークンです。バッチおよびFlexプライシングは標準料金の半額、Priority処理は標準料金の2.5倍となります。GPT-5.5はGPT-5.4より価格が高い設定ですが、OpenAIはCodex向けにGPT-5.5がGPT-5.4より少ないトークン数で優れた結果を出すよう調整されているため、実際の利用コストは想定より抑えられる場面も多いと述べています。
主要ベンチマーク総覧
参考として、GPT-5.5と競合モデルの主なベンチマーク比較を以下に示します。
| カテゴリ | ベンチマーク | GPT-5.5 | GPT-5.4 | Claude Opus 4.7 | Gemini 3.1 Pro |
| コーディング | Terminal-Bench 2.0 | 82.7% | 75.1% | 69.4% | 68.5% |
| コーディング | SWE-Bench Pro | 58.6% | 57.7% | 64.3%* | 54.2% |
| ナレッジワーク | GDPval | 84.9% | 83.0% | 80.3% | 67.3% |
| コンピュータ操作 | OSWorld-Verified | 78.7% | 75.0% | 78.0% | — |
| ツール活用 | BrowseComp | 84.4% | 82.7% | 79.3% | 85.9% |
| ツール活用 | Tau2-bench Telecom | 98.0% | 92.8% | — | — |
| 科学 | BixBench | 80.5% | 74.0% | — | — |
| 数学 | FrontierMath Tier 4 | 35.4% | 27.1% | 22.9% | 16.7% |
| 抽象推論 | ARC-AGI-2 | 85.0% | 73.3% | 75.8% | 77.1% |
| サイバー | CyberGym | 81.8% | 79.0% | 73.1% | — |
*SWE-Bench Proはメモリーゼーションの可能性が指摘されている
まとめ
GPT-5.5はコーディング・ナレッジワーク・科学研究の3領域でGPT-5.4を超えながら、応答速度を維持してトークン効率も改善したという点が今回の発表の核心です。実業務では財務書類7万ページの処理や週次レポート自動化、研究では数学の新証明発見や遺伝子発現データの大規模解析と、エージェント型AIの実用範囲が着実に広がっていることが確認できます。安全性についてはPreparedness Frameworkで「High」評価のまま外部検証プログラムを同時展開するという姿勢を取っており、今後のフロンティアモデルリリースの1つの型になっていく可能性があると思います。API提供開始後の実際のパフォーマンスや、Bio Bug Bountyの結果についても注目していきたいところです。GPT-5.5 ProをはじめとするAPI展開の詳細については、今後の続報をあわせてご覧いただければと思います。
