[ビジネスマン向け]McKinsey代表が語る「AIにできない3つのスキル」──AI時代に若手が磨くべき能力とは?

目次

はじめに

 McKinseyのグローバル・マネージング・パートナーであるBob Sternfels氏が、AI時代において若手プロフェッショナルが注力すべき3つのスキルを特定しました。Business Insiderが2026年1月8日に報じた内容をもとに、AIが代替できない人間固有の能力と、AI導入が企業の人材採用に与える影響について解説します。

参考記事

要点

  • McKinseyでは25,000のAIエージェントが稼働しており、昨年だけで検索と統合作業で150万時間を節約した
  • Bob Sternfels氏は、AIモデルができない3つの人間のスキルとして「志を持つ能力」「判断力」「真の創造性」を挙げた
  • AI導入により、コンサルタントはより複雑な問題に取り組むようになり、仕事の質が変化している
  • AI時代の人材採用では、出身校よりも実際のアウトプット(GitHubなどでの成果物)を重視する傾向が強まっている

詳細解説

McKinseyにおけるAI活用の現状

 Sternfels氏は、ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)での講演で、McKinseyにおけるAI活用の実態を明らかにしました。同社では現在25,000のAIエージェントが人間の従業員と協働しており、過去6ヶ月間で250万のチャートを生成したと報告しています。

 McKinseyによれば、昨年だけでAI活用により検索と統合作業において150万時間を節約したとのことです。これらの作業はAIモデルが得意とする領域であり、人間の従業員はより高度な業務に集中できるようになっています。

 Sternfels氏は、AIエージェントがこうした定型的な作業を担うことで、コンサルタントが「スタックの上位に移動し」、より複雑な問題に取り組めるようになったと説明しました。このような業務の再編成は、AI時代における働き方の変化を象徴していると考えられます。

AIにできない3つの人間のスキル

 こうした変化を踏まえ、Sternfels氏はMcKinseyが大規模雇用主の視点から新卒者に必要なスキルを検討した結果、3つの能力を特定したと述べています。

1. 志を持つ能力(Aspiration)

 Sternfels氏によれば、AIモデルは「志を持つこと」ができません。「低軌道に行くのか、月に行くのか、火星に行くのか」といった目標設定は、人間固有の能力だと指摘しています。

 この能力には、自ら大きな目標を設定することに加えて、その志に他者を巻き込み、信じてもらうスキルも含まれます。ビジョンを描き、それを組織全体で共有する力は、リーダーシップにおいて不可欠な要素と言えます。

2. 判断力(Judgment)

 「これらのモデルには正誤がない」とSternfels氏は述べ、適切なパラメータをどう設定するかが人間の役割になると説明しました。企業の価値観や社会規範といった要素に基づいてアーキテクチャを構築するスキルが求められます。

 AIは大量のデータから統計的なパターンを見出すことはできますが、何が倫理的に正しいか、企業文化に適しているかといった価値判断は人間が担う必要があります。この判断力は、AI活用の方向性を決定する上で重要な役割を果たすと考えられます。

3. 真の創造性(True Creativity)

 Sternfels氏は「モデルは推論モデルであり、次に最も可能性の高いステップを予測する」と指摘しました。一方、人間は「直交的(orthogonal)」な仕事、つまり既存のパターンから外れて全く新しいアプローチにたどり着く能力において優位性を持つとしています。

 推論モデルとは、学習データから統計的に最も確からしい次の出力を生成するAIの基本的な仕組みを指します。既存のデータパターンに基づく予測は得意ですが、そのパターンを根本的に覆すような革新的なアイデアを生み出すことは困難と考えられます。

AI時代における人材採用の変化

 Sternfels氏は、AI導入により企業の人材採用方法も変化していると述べています。特に、出身校が重視される度合いが大きく低下すると予測しました。

 技術系のバックグラウンドを持つ人材については、卒業した大学よりも、GitHubなどのプラットフォームで公開されている実際の成果物を見るべきだと提案しています。GitHubは、エンジニアが自身のコードやプロジェクトを公開・共有するためのプラットフォームで、実務能力を直接確認できる場として広く利用されています。

 「実際のコンテンツに注目しましょう」とSternfels氏は述べ、「これによって、より幅広い層の人々が異なる経路で労働市場に参入できるようになるのではないか」と問いかけました。学歴よりも実力を重視する採用方式は、キャリアパスの多様化を促進する可能性があります。

まとめ

 McKinseyの事例は、AI時代における働き方と人材評価の変化を示しています。定型作業はAIが担い、人間は志を持つ能力、判断力、真の創造性といった固有のスキルに注力する──この役割分担が、今後のビジネス環境において標準になっていくと考えられます。また、学歴偏重から実力主義への移行は、より公平な人材評価につながる可能性を秘めています。

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