[AIツール利用者向け]GoogleのデザインツールStitchがGemini 3対応でUI生成品質が向上——プロトタイプ作成機能も追加

目次

はじめに

 Googleが2025年12月10日、実験的なAI搭載デザインツール「Stitch」にGemini 3を導入したことを発表しました。本稿では、この発表内容をもとに、Gemini 3導入によるUI生成品質の向上と、新たに追加されたプロトタイプ作成機能について解説します。

参考記事

要点

  • Googleの実験的デザインツール「Stitch」にGemini 3が導入され、UI生成の品質が向上した
  • 新機能「Prototypes」により、キャンバス上の複数画面を接続して動作するプロトタイプを作成できるようになった
  • 静的な画面デザインに加えて、インタラクションやユーザーフロー全体の設計が可能になった
  • 本機能は実験的な段階にあり、今後も改善が予定されている

詳細解説

Stitchとは

 Stitchは、Googleが提供する実験的なAI搭載デザインツールです。このツールは、ユーザーのアイデアを視覚的なUIデザインに変換することを目的としており、stitch.withgoogle.comから利用できます。

 一般的なデザインツールでは、ユーザーが手動で要素を配置しレイアウトを調整する必要がありますが、AI搭載ツールではテキスト指示や簡単な入力から自動的にデザインを生成できる点が特徴です。Stitchはこのようなアプローチを採用したツールと考えられます。

Gemini 3導入によるUI生成品質の向上

 Googleによれば、今回のアップデートでStitchにGemini 3が導入されました。これにより、より高品質なUI生成が可能になったとされています。

 Gemini 3は、Googleが開発した最新の大規模言語モデルです。従来のGeminiシリーズと比較して、より高度な理解力と生成能力を持つとされており、デザイン生成においては、より洗練されたレイアウトや適切な要素配置が期待できます。

 具体的な品質向上の内容は発表では詳細に説明されていませんが、モデルの性能向上により、ユーザーの意図をより正確に反映したUIデザインや、デザイン原則に沿った要素配置が実現される可能性があります。

新機能「Prototypes」の追加

 今回のアップデートでは、「Prototypes」という新機能が導入されました。Googleの説明では、この機能によりキャンバス上の異なる画面を「stitchする」(繋ぎ合わせる)ことで、動作するプロトタイプを作成できるとされています。

 これまでStitchでは静的な画面デザインの生成が中心でしたが、新機能によりインタラクションや完全なユーザーフローの設計が可能になりました。

 プロトタイピングツールとしては、FigmaやAdobe XDなど、既に画面遷移やインタラクションの設計機能を持つツールが存在します。StitchのPrototypes機能は、これらのツールと同様に、複数の画面間の遷移を定義し、ユーザー体験全体を設計・検証できる機能と推測されます。ただし、AI生成されたUIを基盤とする点で、従来のツールとは異なるアプローチを取っていると考えられます。

実験的段階と今後の展開

 Googleは本機能が実験的(experimental)であることを明記しており、多くの改善が予定されているとしています。また、ユーザーからのフィードバックを求めています。

 実験的段階にあるということは、機能の安定性や完成度において、まだ発展途上であることを意味します。商用プロジェクトでの本格的な利用には慎重な検討が必要かもしれませんが、新しい技術やアプローチを試す機会として価値があると言えます。

まとめ

 Googleは実験的デザインツールStitchにGemini 3を導入し、UI生成品質を向上させました。さらに、新機能Prototypesにより画面間の接続とプロトタイプ作成が可能になり、デザインツールとしての実用性が高まったと考えられます。実験的段階にあるため今後の改善が期待されますが、AIを活用したデザインワークフローに関心のある方にとっては、試す価値のあるツールではないでしょうか。

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