はじめに
Googleが2026年1月28日、Search AI機能におけるウェブサイト管理者向けのコントロール機能強化について、同社公式ブログで方針を発表しました。英国競争・市場庁(CMA)がGoogle Searchに関する新要件の協議を開始したことを受け、AI OverviewsなどのSearch生成AI機能からウェブサイトがオプトアウトできる仕組みを検討しています。本稿では、この発表内容をもとに、既存のコントロール機能と今後の展開について解説します。
参考記事
- タイトル: Our approach to website controls for Search AI features
- 著者: Ron Eden (Principal, Product Management)
- 発行元: Google The Keyword Blog
- 発行日: 2026年1月28日
- URL: https://blog.google/products-and-platforms/products/search/search-ai-features-controls/
要点
- 英国CMAがGoogle Searchに関する新要件の協議を開始し、Search AI機能におけるウェブサイトコントロールが議題となった
- Googleは従来からrobots.txtなどのオープンスタンダードに基づくコントロール機能を提供してきたが、AI時代に合わせた進化が求められている
- Google-Extendedという新しいコントロールを導入済みで、Geminiモデルのトレーニングにおけるコンテンツ利用を管理できる
- Search生成AI機能から特定的にオプトアウトできる新しいコントロール機能を検討中である
- ユーザーの情報検索体験を損なわず、かつウェブサイト管理者に適切なツールを提供するバランスが重要とされている
詳細解説
英国CMAの協議とその背景
Googleによれば、2026年1月28日に英国競争・市場庁(CMA)がGoogle Searchに関する新要件についての協議を開始しました。この協議の主要な論点の1つが、Search AI機能におけるウェブサイトコンテンツの管理方法です。
CMAは英国の競争法と消費者保護を監督する独立機関で、デジタル市場における公正な競争環境の維持を担っています。今回の協議は、AI技術の急速な普及により、検索エンジンとウェブサイト運営者の関係性が変化していることを背景としていると考えられます。
Googleは発表の中で、ユーザー行動の変化が情報検索の方法を急速に変えており、AI Overviewsのような機能が新しいコンテンツの発見や質問の機会を増やしていると説明しています。一方で、ウェブサイト側にとってもSearch結果での露出方法は重要な関心事であり、両者のバランスをとることが課題となっています。
既存のウェブサイトコントロール機能
Googleは長年にわたり、ウェブパブリッシャー向けに様々なコントロール機能を提供してきました。これらの機能は、robots.txtなどのオープンスタンダードに基づいています。
robots.txtは、ウェブサイトのルートディレクトリに配置するテキストファイルで、検索エンジンのクローラーに対してアクセス許可を指定する標準的な仕組みです。1990年代から使われている歴史ある技術で、ウェブの基本インフラの1つとなっています。
技術の進化に伴い、Googleはコントロール機能も拡張してきました。Featured Snippets(検索結果の上部に表示される要約情報)や画像プレビューに対するコントロールを追加し、これらの設定はAI Overviewsにも適用されます。
さらに最近では、Google-Extendedという新しいコントロールを導入しました。これは、ウェブサイトのコンテンツがGeminiモデルのトレーニングにどのように利用されるかを管理できる機能です。生成AIモデルの学習データとしての利用と、検索結果への表示という2つの側面を区別できるようになった点が重要と言えます。
新しいコントロール機能の検討
今回の発表で最も注目すべき点は、Search生成AI機能から特定的にオプトアウトできる新しいコントロールの検討です。Googleはウェブエコシステムと協力しながら、この機能の実装を進めていると説明しています。
この取り組みの目標は、迅速な情報を求めるユーザーにとってのSearch有用性を保護しつつ、ウェブサイト側にコンテンツ管理のための適切なツールを提供することです。
ただし、新しいコントロール機能の設計には慎重な配慮が必要と考えられます。Googleは、ユーザーにとって断片的で混乱を招くような形でSearchが機能しなくなることを避けたいとしています。また、AIが情報検索の中核的な部分になりつつある中で、新しいコントロールはウェブサイト管理者にとってシンプルでスケーラブルである必要があるとも指摘しています。
これは、技術的な実装の容易さだけでなく、大小様々なウェブサイト運営者が実際に利用できる仕組みでなければならないという意味と思います。
今後の方針とステークホルダーとの対話
Googleは、CMAのプロセスに積極的に関与していく意向を示しており、ウェブサイト所有者や他のステークホルダーとの議論も継続するとしています。
発表の結びでは、ウェブサイト所有者とパブリッシャーにさらなる選択肢を提供しつつ、ユーザーが最も役立つ革新的なSearch体験を得られるようにするという、両立が難しい目標に対して楽観的な姿勢を表明しています。
この問題は、検索エンジンの技術革新とウェブコンテンツ提供者の権利保護という、デジタル時代における重要な論点を含んでいます。今後の展開は、AI技術とウェブの関係性を考える上で重要な先例となる可能性があります。
まとめ
GoogleがSearch AI機能のウェブサイトコントロール強化を検討しており、英国CMAの協議に対応する形で新しいオプトアウト機能の実装を進めています。既存のrobots.txtやGoogle-Extendedに加え、Search生成AI機能に特化したコントロールが登場する見込みです。ユーザー体験とウェブサイト管理者の権利のバランスをどう実現するか、今後の動向が注目されます。
