[Google I/O 2025]Google検索が変わる!「AI Overview」が世界200地域・40言語へ拡大、Gemini 2.5搭載でさらに賢く

目次

はじめに

 本稿では、Googleが2025年5月20日に発表した、検索機能におけるAI Overview(AIによる概要)の提供範囲拡大に関して、公式ブログ記事「AI Overviews are now available in over 200 countries and territories, and more than 40 languages.」をもとに解説します。

引用元記事

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要点

  • Google検索のAI Overview機能が、200以上の国と地域、40以上の言語で利用可能になった。これにはアラビア語、中国語、マレー語、ウルドゥー語などが新たに追加されている。
  • AI Overviewは、ユーザーが複雑な質問をしたり、迅速に情報を見つけたり、関連性の高いウェブサイトを探索したりすることを容易にするものである。
  • この機能は、Googleのシステムが「最も役立つ」と判断した場合に検索結果に表示され、ユーザーがより深く情報を掘り下げられるよう、ウェブサイトへのリンクが目立つ形で提示される
  • AI Overviewは、Google検索に期待される速度で提供され、業界最速レベルのAI応答を実現している。
  • AI Overviewの利用者からは肯定的なフィードバックが得られており、検索頻度の増加にもつながっている。特に米国やインドのような主要市場では、AI Overviewが表示される種類のクエリにおいて、Googleの利用が10%以上増加した。
  • さらなる進化として、米国ではGoogleの最新かつ最も高性能なAIモデルである「Gemini 2.5」のカスタムバージョンがAI Overviewに導入され、より難解な質問にも対応できるようになる。

詳細解説

AI Overviewとは何か?

 まず、「AI Overview」について簡単に説明します。これは、Google検索に統合された生成AI機能の一つです。ユーザーが検索窓に質問やキーワードを入力すると、従来のウェブサイトのリスト表示に加えて、AIが関連情報をウェブ上から収集・要約し、簡潔な概要(Overview)を検索結果ページの上部などに提示するものです。

 例えば、「小さな子供向けの誕生日パーティーのアイデアと、雨天時の代替案」といった複雑な質問に対しても、AI Overviewはウェブ上の複数の情報を組み合わせて、整理された回答を生成しようと試みます。これにより、ユーザーは複数のウェブサイトを個別に訪問する手間を省き、迅速に求める情報のエッセンスを掴むことができます。

今回の発表における重要なポイント

 今回の発表で特に注目すべき点をいくつか解説します。

提供範囲の大幅なグローバル展開:


 これまで一部の地域で提供されていたAI Overviewが、一気に200以上の国と地域、そして40以上の言語で利用できるようになりました。新たに対応した言語には、アラビア語、中国語、マレー語、ウルドゥー語などが含まれており、より多くの人々が自国語でAIの恩恵を受けられるようになります。これは、Googleがいかにこの技術の普及を重視しているかを示すものといえます。

ユーザー体験の向上と利用促進:


 Googleによると、AI Overviewを利用したユーザーは、その結果に満足しており、検索を行う頻度も増加する傾向が見られるとのことです。特に、米国やインドといった主要市場では、AI Overviewが表示されるような複雑な検索クエリにおいて、Googleの利用率が10%以上向上したと報告されています。これは、ユーザーがAI Overviewの利便性を実感し、より積極的に活用するようになっていることを示唆しています。一度便利さを体験すると、同様の検索をAI Overviewに頼るようになるという循環が生まれているようです。

表示の最適化と情報源の明示:


 AI Overviewは、どんな検索に対しても表示されるわけではありません。Googleのシステムが、AIによる概要がユーザーにとって「最も役立つ」と判断した場合にのみ表示されます。これは、常に最適な情報提供を目指すGoogleの姿勢の表れと言えるでしょう。また、生成された概要には、情報源となったウェブサイトへのリンクが目立つように配置されており、ユーザーはさらに詳しい情報を元サイトで確認することができます。これにより、ウェブサイト運営者へのトラフィック流入も考慮されています。

業界トップクラスの応答速度:


 AIが情報を処理し概要を生成するには計算処理が必要ですが、GoogleはAI OverviewをユーザーがGoogle検索に期待する速さで提供していると強調しています。これは、生成AIの応答速度としては業界最速レベルであり、ユーザーの待ち時間を現状と同等程度に抑えることが利用上の必須事項であると捉えているとも言えます。

最先端AIモデル「Gemini 2.5」の導入:


 特に注目すべきは、米国市場において、Googleの最新かつ最も高性能なAIモデルである「Gemini 2.5」のカスタムバージョンがAI Overviewに導入されるという点です。Gemini 2.5は、より高度な推論能力やマルチモーダル処理能力(テキスト、画像、音声などを統合的に扱う能力)を持つとされています。これをAI Overviewに活用することで、従来では難しかった、さらに複雑でニュアンスに富んだ質問にも的確に答えられるようになると期待されます。

まとめ

 GoogleによるAI Overview機能の大規模な提供範囲拡大は、AIが情報検索の中心的な役割を担う未来に向けた大きな一歩と言えます。200以上の国と地域、40以上の言語への対応、そして最新AIモデル「Gemini 2.5」の導入は、より多くの人々が、より高度なAIの支援を受けながら、必要な情報へ迅速かつ効率的にアクセスできる時代の到来を告げています。

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