[AIツール利用者向け]Googleの新画像生成モデル「Nano Banana Pro」が使える6つの場所

目次

はじめに

 Googleが2025年12月23日、新しい画像生成・編集モデル「Nano Banana Pro」の利用可能な場所について公式ブログで紹介しました。本稿では、GeminiアプリからWorkspaceツール、開発者向けプラットフォームまで、Nano Banana Proを活用できる場所と各サービスでの機能について解説します。

参考記事

要点

  • Nano Banana ProはGemini 3 Proを活用し、より高精度で詳細かつ深みのある画像生成を実現する新しいモデルである
  • Geminiアプリ、AI Mode in Search、NotebookLMなど、6つの主要な場所で利用可能となっている
  • Workspaceツールでは、Google SlidesとGoogle Vidsで画像生成・編集機能が強化されている
  • 開発者向けには、Vertex AI、AI Studio、Antigravityなど複数のプラットフォームで提供されている

詳細解説

Nano Banana Proの基本性能

 Nano Banana ProはGemini 3 Proを使用することで、ユーザーが視覚化したい内容をより正確に理解し、高精度、深み、ニュアンス、そして高い詳細度で画像を生成できます。

 Gemini 3 Proは、Googleの最新の大規模言語モデルで、テキスト理解能力が大幅に向上しています。この技術を画像生成に応用することで、従来モデルと比較して、ユーザーの意図をより正確に汲み取った画像生成が可能になると考えられます。

1. Geminiアプリでの利用

 Geminiアプリでは、デスクトップ版またはモバイルアプリからグローバルに利用可能です。利用方法は、「Create images」を選択し、「Thinking」モデルを選ぶだけです。

 無料ユーザーには利用制限があり、制限に達すると元のNano Bananaモデルに戻ります。一方、Google AI Plus、Pro、Ultraのサブスクライバーには、より高い利用枠が提供されています。この仕組みは、無料ユーザーにも新技術を体験する機会を提供しながら、有料プランへの誘導も図るビジネスモデルと言えます。

2. AI Mode in Searchでの画像生成

 検索機能「AI Mode」からもNano Banana Proにアクセスできます。アカウントにサインインした状態でAI Modeにアクセスし、ドロップダウンメニューから「Thinking with 3 Pro」を選択、プラスアイコンをクリックして「Create Images Pro」を選ぶ流れです。

 AI Modeでの画像生成は、選択された国で英語で利用可能とされています。検索体験の中で直接画像生成ができる機能は、情報収集と視覚化を一つのワークフローで完結できる点が特徴的です。

3. NotebookLMでの活用

 NotebookLMでは、全ユーザーがグローバルにNano Banana Proを利用できます。この機能により、ソースや アイデアを視覚的に説得力のある形に変換し、スライドデッキやインフォグラフィックを作成できます。

 特にスライドデッキ機能は、信頼できるドキュメントや高レベルなメモを、即座に完全にスタイリングされたデッキに変換できるとされています。例えば、Deep Research機能でクエリを実行し、スライドデッキを作成することで、複雑なトピックを詳細なレポートを読まずに視覚化できます。

 NotebookLMは研究やノート作成のツールですが、画像生成機能の統合により、情報整理から視覚的なプレゼンテーション作成までをシームレスに行えるようになったと考えられます。

4. Workspaceツールでの機能強化

 Workspaceの顧客は、Google SlidesとGoogle VidsでNano Banana Proを利用できます。

 Google Slidesでは、Geminiサイドバーを開いて「Help me visualize」オプションを選択すると、アップグレードされたモデルを使用してインフォグラフィック、画像、チャートなどの作成が可能です。新機能「Beautify this slide」は、作成したスライドのコンテキストを取り込み、デザインを構築します。気に入った結果が得られたら、「insert as new slide」を選択してプレゼンテーションに追加できます。

 Google Vidsでは、サイドバーからバナナアイコン付きの「Image」オプションを選択することで、より精度の高い画像をAIが生成します。ゼロから動画を生成する場合、すべてのビジュアルが最新モデルを使用して作成されます。

 Workspaceツールへの統合は、ビジネスユーザーの日常的なワークフローに画像生成AI を組み込む重要なステップだと思います。プレゼンテーション資料や動画コンテンツの作成が、より効率的かつクリエイティブになる可能性があります。

5. Flowでの映像制作支援

 FlowはGoogleのAI映画制作ツールで、Nano Banana Proを使用して画像を作成できるようになりました。フレームやシーンに対するより高い精度とコントロール、そして最先端のテキストレンダリングが期待できます。

 これは特にクリエイターにとって有用で、カメラアングルの調整、深度を作るためのフォーカス変更、完璧なムードを設定するための洗練されたカラーグレーディングなどの微調整が可能です。Flowでは、すべての有料プランでNano Banana Proが利用可能とされています。

 映像制作の分野では、細かな視覚的調整が作品の質を大きく左右します。AI による精密な画像生成は、クリエイターの表現の幅を広げる可能性があると考えられます。

6. Mixboardでのアイデア探索

 MixboardはGoogle Labsの実験的ツールで、アイデアの探索、拡張、洗練を支援します。キャンバス上で、DIYプロジェクト、製品デザイン、ホリデーパーティーのメニューや装飾など、さまざまなプロジェクトのアイデアを画像やテキストで視覚化できます。

 Nano Banana Proは、Mixboardの最新のプレゼンテーション機能で利用可能で、ボードを美しくデザインされたプレゼンテーションに変換します。アイデアの初期段階から視覚化、そしてプレゼンテーションまでを一つのツール内で完結できる点が特徴的です。

開発者向けプラットフォーム

 開発者向けには、さらに多くの場所でNano Banana Proにアクセスできます。Vertex AI、AI Studio、Stitch、Ads、Firebaseなどのプラットフォームで提供されており、新しいエージェント開発プラットフォーム「Antigravity」でも利用可能です。

 これらのプラットフォームは、それぞれ異なる用途や開発環境に対応しています。Vertex AIは企業向けのAI開発基盤、AI Studioはプロトタイピング環境、Firebaseはモバイルアプリ開発プラットフォームなど、開発者が自身のプロジェクトに応じて最適な環境を選択できる体制が整っていると言えます。

まとめ

 Nano Banana Proは、Geminiアプリから Workspaceツール、開発者向けプラットフォームまで、幅広い場所で利用可能となっています。各サービスでの機能強化により、個人ユーザーからビジネスユーザー、クリエイター、開発者まで、それぞれのニーズに応じた画像生成・編集が実現しています。今後、これらのツールがどのように実務に活用されていくのか、注目していきたいところです。

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