1. はじめに
近年、AI(人工知能)技術は急速に発展し、私たちの生活やビジネスに大きな変革をもたらしています。AI技術の進化に伴い、AIに関する知識やスキルを持つ人材の需要が急増しています。
JDLA(日本ディープラーニング協会)は、ディープラーニング技術の普及と人材育成を目的とした団体です。JDLAは、AI人材育成のための2つの資格認定制度、「E資格」と「G検定」を実施しています。
JDLA公式サイト: https://www.jdla.org/
E資格公式サイト: https://www.jdla.org/certificate/engineer/
G検定公式サイト: https://www.jdla.org/certificate/general
2. E資格とは
E資格(Engineering qualification)は、ディープラーニングの実装能力を認定する資格です。AIエンジニアや開発者など、AI技術の実践的な活用を目指す方を対象としています。
特徴的な点として、JDLAが認定していた団体が提供するプログラムの修了生のみが受験できる資格となっています。そのため、資格を得るために、まずJDLAが認定したプログラムを受講する必要があります。
試験内容
- 数学的基礎
- 確率・統計
- 情報理論
- 機械学習
- 機械学習の基礎
- 深層学習の基礎
- 順伝播型ネットワーク
- 深層モデルのための最適化
- 深層モデルのための正則化
- 畳み込みニューラルネットワーク
- リカレントニューラルネットワーク
- Transformer
- 汎化性能向上のためのテクニック
- 深層学習の応用
- 画像認識
- 物体検出
- セマンティックセグメンテーション
- 自然言語処理
- 生成モデル
- 深層強化学習
- 様々な学習方法
- 深層学習の説明性
- 開発・運用環境
- エッジコンピューティング
- 分散処理
- アクセラレータ
- 環境構築
受験資格
- JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に終了していること
試験開催
- 年2回(例年2月、8月ごろ)
難易度
- 試験自体は、認定プログラムを受け、内容を理解していれば合格が可能となっている
(認定プログラムの内容を理解する上で、数学やエンジニアとしての基礎的な素養がないと難しい場合がある) - 合格率自体は例年7割前後
- 理系出身者や現役エンジニアであればある程度勉強すれば合格することが可能
取得のメリット
- ディープラーニングの実装スキルを証明できる
- AIエンジニアとしてのキャリアアップにつながる
- 企業からの信頼性が向上する
3. G検定とは
G検定(Generalist qualification)は、ディープラーニングの基礎知識を認定する資格です。AIビジネスに関わるビジネスパーソンや、AI技術の活用に関心のある方を対象としています。
こちらは、E資格とは異なり、特に受験資格が定められていないため、誰でも受験することが可能です。
G検定公式サイト:https://www.jdla.org/certificate/general
G検定特設サイト:https://www.jdla.org/certificate/general/start
試験内容
- 【技術分野】
- 人工知能とは
- 人工知能をめぐる動向
- 機械学習の概要
- ディープラーニングの概要
- ディープラーニングの要素技術
- ディープラーニングの応用例
- AIの社会実装に向けて
- AIに必要な数理・統計知識
- 【法律・倫理分野】
- AIに関する法律と契約
- AI倫理・AIガバナンス
受験資格
- 特になし
試験開催
- 年3回開催(例年3月、7月、11月ごろ)
難易度
- 前提知識がなくても、公式から出版されている書籍を基本的に確認すれば合格が可能
- 参考図書をみながら回答ができるため、概要をつかんでいればよい
(ただし、問題数が多いため、気になる問題を確認するぐらいでしか、参考図書は基本的に利用できない) - 数式等は基本的にでてこないため、文系で数学に苦手意識がある人でも受験しやすい。
取得のメリット
- AIに関する共通言語を習得できる
- AIビジネスの可能性を理解できる
- AIプロジェクトへの貢献意欲を高められる
4. E資格とG検定、どちらを目指すべき?
E資格とG検定は、それぞれ対象者や目的が異なります。
- E資格:AIエンジニア、開発者など、AI技術の実践的な活用を目指す方
- G検定:AIビジネスに関わるビジネスパーソンや、AI技術の活用に関心のある方
ご自身のスキルレベルやキャリアプランに合わせて、適切な資格を選択することが重要です。
5. まとめ
E資格・G検定は、AI人材として活躍するための登竜門となる資格です。AI技術がますます重要となる現代において、これらの資格取得は、キャリアアップや自己成長に貢献することができます。
6. 終わりに
この記事では、JDLA E資格・G検定の概要についてご紹介しました。
AI技術は常に進化しており、E資格・G検定の内容も変更される可能性があります。受験を検討される際は、必ずJDLAの公式サイトで最新情報を確認してください。
JDLA公式サイト:https://www.jdla.org/
この記事が、AI人材を目指す皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
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