[AIツール利用者向け] Google Antigravity、有料プラン向けにレート制限を大幅拡大 ―5時間ごとのクォータ更新で開発を加速

目次

はじめに

 Googleが2025年12月5日、新しいエージェント開発プラットフォーム「Google Antigravity」において、有料サブスクライバー向けのレート制限を引き上げたと発表しました。本稿では、この発表内容をもとに、レート制限の変更内容と各プランの違い、実際の利用における影響について解説します。

参考記事

要点

  • Google AI ProおよびUltraサブスクライバーは、Google Antigravityにおいて最も高いレート制限を利用でき、クォータは5時間ごとに更新される
  • 無料プランでは、プロジェクト中に素早くレート制限に到達することを避けるため、週単位の大きなレート制限に移行した
  • 使用量は「エージェントが行った作業量」に相関し、単純なタスクは複雑な推論よりも少ないクォータを消費する
  • すべてのティアのユーザーは、Gemini 3 Pro、無制限のタブコード補完、Agent ManagerやBrowser統合などの全機能を引き続き利用できる

詳細解説

Google Antigravityとは

 Google Antigravityは、Googleが提供する新しいエージェント開発プラットフォームです。Gemini 3の高度なエージェントコーディング機能を活用し、開発者が効率的にAIエージェントを構築できる環境を提供します。Googleによれば、このプラットフォームへの反響は非常に大きく、需要に応えるための対応として今回のレート制限変更が実施されました。

 エージェント開発プラットフォームとは、AIが自律的にタスクを実行する「AIエージェント」を開発するための統合環境を指します。従来のチャット型AIと異なり、エージェントは複数のステップを経て目標を達成する能力を持ちます。

有料プランの強化内容

 Google AI ProおよびUltraのサブスクライバーは、優先アクセスと最も寛大なレート制限を受けられます。重要な特徴として、クォータが5時間ごとに更新される点が挙げられます。

 5時間ごとの更新は、開発作業において重要な意味を持ちます。開発プロセスでは、試行錯誤を重ねる中で一時的に大量のAPIリクエストが発生することがあります。短い間隔でクォータが更新されることで、開発のペースを維持しやすくなると考えられます。

 Google AI ProとUltraは、Googleが提供する有料サブスクリプションサービスです。これらのプランは、Google Oneの一部として提供されており、Antigravityへの優先アクセスに加えて、他のGoogle AIサービスでも拡張機能を利用できます。

無料プランの変更点

 無料プランでは、週単位のより大きなレート制限に移行しました。Googleの説明では、この変更の目的は「プロジェクト中に素早くレート制限に到達することを最小限にする」こととされています。

 従来の日次または時間単位の制限から週単位への移行は、利用パターンの柔軟性を高める効果があると思います。開発作業では、集中的に作業を行う日とそうでない日があるため、週単位の制限であれば、作業の波に合わせてリソースを配分できます。

 ただし、週単位の制限は、週の前半で大量に使用した場合、後半に利用できなくなる可能性もあります。計画的な利用が求められる仕組みと言えます。

使用量の計算方法

 重要なポイントとして、使用量は「エージェントが行った作業量」に相関するとされています。具体的には、単純なタスクは複雑な推論よりも少ないクォータを消費します。

 この仕組みは、タスクの複雑さに応じた従量課金的な考え方を反映していると考えられます。例えば、単純なコード補完と、複数のファイルを横断した大規模なリファクタリングでは、後者の方が多くの計算リソースとクォータを必要とします。

 開発者にとっては、タスクの複雑さを意識しながらエージェントを活用することで、効率的にクォータを使用できる可能性があります。

すべてのティアで利用可能な機能

 レート制限の違いはあるものの、すべてのティアのユーザーが以下の機能を引き続き利用できます。

  • Gemini 3 Pro: Googleの最新言語モデル
  • 無制限のタブコード補完: コーディング支援機能
  • Agent Manager: エージェント管理機能
  • Browser統合: ブラウザとの統合機能

 これらの機能がすべてのプランで利用可能という点は、無料ユーザーにとっても大きなメリットと言えます。レート制限の違いは主に「どれだけ頻繁に使えるか」に関わるもので、機能そのものへのアクセスは平等に保たれています。

まとめ

 Google Antigravityの有料プラン向けレート制限引き上げは、開発需要の高まりへの対応として実施されました。5時間ごとのクォータ更新により、有料ユーザーは開発のペースを維持しやすくなります。一方、無料プランも週単位の大きな制限に移行し、計画的な利用が可能になりました。すべてのティアでGemini 3 Proをはじめとする主要機能が利用できる点も注目されます。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次