AIスキルをアップデート!Google Cloudが提供する新たな6つの実践的トレーニングコースを紹介

目次

はじめに

 本稿では、Google Cloudの公式ブログを基に、AI時代に必須となるスキルを習得するための新しいトレーニングコース群について、解説します。

参考記事

要点

  • Google Cloudは、AI分野におけるキャリア構築を目指す中級から上級の技術者、および非技術者向けに、6つの新しいAIトレーニングコースを発表した。
  • コース内容は、AIインフラの設計・管理、データベースと連携するAIエージェントの構築、Geminiモデルの教師ありファインチューニング、サーバーレスAI推論、AIデプロイメントのセキュリティ、Google AI Studioを使ったプロトタイピングなど、多岐にわたる。
  • これらのトレーニングは、資格取得を通じてスキルを証明することが昇進や昇給に繋がるという調査結果に基づき、学習者がAI時代において市場価値を維持・向上させることを目的としている。

詳細解説

 AI技術の進化は、多くのビジネス領域で変革をもたらしており、AI関連のスキルを持つ人材への需要は高まる一方です。Google Cloudの調査によれば、資格を通じてスキルを証明することが、昇進、昇給、リーダーシップの機会を促進することが示されています。また、Google Cloudの学習者の10人中8人が、提供されるトレーニングがAI時代をリードする上で役立っていると感じているそうです。

 このような背景から、Google CloudはAI分野の専門家が常に最先端の知識を習得できるよう、新たなトレーニングコース群を発表しました。これらのコースは、特定の役割やスキルレベルに合わせて設計されており、理論だけでなく実践的なスキルを身につけることができます。

新トレーニングコースの詳細

 今回発表されたコースは、主に中級から上級の技術者を対象としていますが、非技術系のユーザー向けのコースも含まれており、幅広い層のニーズに応えています。

  1. AI infrastructure mini courses
    • 対象者: クラウドインフラエンジニア、クラウドアーキテクト、AIエンジニア、MLOpsエンジニア
    • 内容: モダンなAIを支える高性能インフラの設計、デプロイ、管理手法を学びます。具体的には、GoogleのTPU(Tensor Processing Unit)およびGPUプラットフォームについての深い理解を得て、Google Compute Engine (GCE) や Google Kubernetes Engine (GKE) をAIワークロードの堅牢な基盤として活用する方法を習得します。
    • 補足: TPUはGoogleがAIの機械学習に特化して開発したプロセッサです。これらをGCE(仮想サーバー)やGKE(コンテナ管理サービス)上で効率的に利用するスキルは、大規模なAI開発において不可欠です。
  2. Build AI Agents with Databases on Google Cloud
    • 対象者: 機械学習エンジニア、データサイエンティスト、AI開発者
    • 内容: 自社のデータベースとAIエージェントを安全に接続し、活用する方法を学びます。インテリジェントなクエリ実行やセマンティック検索(意味を理解した検索)を行うエージェントの作成、高度なマルチステップワークフローの設計・実装、そして運用方法までをカバーします。企業の最も重要なデータ資産をAIで活用するための重要なコースです。
  3. Supervised fine-tuning for Gemini
    • 対象者: 機械学習エンジニア、データサイエンティスト、AI開発者
    • 内容: Googleの強力な基盤モデルであるGeminiを、特定のタスクに合わせてカスタマイズ(教師ありファインチューニング)する技術を学びます。これにより、モデルの応答品質と効率を向上させ、自社のビジネスニーズに完全に合致したAIを構築できます。
  4. Cloud Run for AI Inference
    • 対象者: 機械学習エンジニア、データサイエンティスト、AI開発者
    • 内容: 開発したAIモデルを、サーバーレス環境であるCloud Run上で迅速かつ大規模にデプロイ(推論)する方法を学びます。軽量な大規模言語モデル(LLM)を含む要求の厳しいAIワークロードの処理や、GPUアクセラレーションの活用法を習得し、効率的で信頼性の高いサービス提供を実現します。
  5. Model Armor: Securing AI Deployments
    • 対象者: セキュリティエンジニア、セキュリティアナリスト
    • 内容: 生成AIアプリケーションを、データ漏洩やプロンプトインジェクションといった重大なセキュリティリスクから保護するための知識を習得します。AIの活用が進む中で、その安全性を確保することはビジネス上の信頼を維持するために不可欠です。
    • 補足: プロンプトインジェクションとは、攻撃者が悪意のある指示(プロンプト)をAIに与えることで、意図しない動作を引き起こさせる攻撃手法です。
  6. Develop AI-Powered Prototypes in Google AI Studio
    • 対象者: 個人開発者、ビジネスアナリスト、その他非技術系のユーザー
    • 内容: Google AI Studioを使い、コーディングの専門知識がなくても迅速にAI活用のアイデアを試作(プロトタイピング)する方法を学びます。ハンズオン形式で、コンセプトを実際に動くモデルへと具体化するプロセスを体験できます。

まとめ

 今回Google Cloudが発表した新しいAIトレーニングコース群は、AIインフラの基礎から、モデルのカスタマイズ、セキュリティ、さらには非技術者向けのプロトタイピングまで、現代のAI開発に必要なスキルを網羅的に提供するものです。

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